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日の明けた蚤の市での出会い

 

日も明けてひと段落、ここでの仕入れは終わりかなと思いかけていたある日の蚤の市で、ふと目に留まった蓋の閉じたカトラリー箱の中に収まっていたのは、使用感が全くない、12本の美しい純銀フロマージュナイフ。

銀の純度は95%以上のプルミエ(1er titre)。鈍く美しい光を湛えながら、恐らくは未使用で溶接部分も状態がよく、黒ずんだ刃を磨いたらほぼ完品の状態

旅の前半で、以前仕入れたものとかなり近しい作りの同フロマージュナイフに出会い、その魅力に心惹かれながらも既視感に苛まれて選びとれず、ということを2度程繰り返していて、その数日後に出会えた写真の一品。そぎ落とされたごくシンプルな作りと、特別輝きの美しい個体が用いられたであろう、品のある絢爛さを纏ったナクルハンドル。モデリング、素材感、個々では目にしたり仕入れしたこともありましたが、この組み合わせは自分は初見でした。

元より沢山は見つからないからこそ、最初の見過ごしの後には多少の後悔をしていましたが、モノにはその都度収まる場所というのがあるのですね。心踊った、クープラン買い付けの一コマ。