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Brûlot / ブリュロ。初級フランス語話者の自分には、 “r” と “l” が続いて現われて思わず噛まずにはいられない独特な響きを持つその器は、フランスのアンティークならではのモノって何だろうと考えたときに、真っ先に思い浮かぶ器です。

 

古いモノの持つ吸引力

フランスのアンティークが好きな人にとっては定番の1つにもなっているブリュロ。

アンティークの器には使う愉しみから、眺める愉しみまでさまざまにありますが、ブリュロは、なんだか分からないけど手元に置いておきたい、そういうふうに思わせるアンティークならではの不思議な吸引力を持っています。

カフェやビストロで、コーヒーを飲むのに使われていたこのカップは、作られた時代や窯によってさまざまなデザインがありますが、そのどれもに、”佇まいをもつ”という言葉がぴったりな存在感があります。

コーヒーを飲んだ後には、温まった器をひっくり返して、裏の高台に強いお酒を入れて熱で香り立たせてたうえで嗜むというような使い方がされていたことから、このような特徴的なカタチをしているブリュロ。18世紀〜19世紀末に主に作られていましたが、20世紀初頭移行は一部を除いて、ほとんど作られていません。

 

 

暮らしのなかで、非効率を愛おしむ

決して大きくはないカップに注げるコーヒーは、ほんの少しです。ブリュロが作られなくなったのには、そんな非効率的な作りにもあったのかもしません。

けれどコーヒーはマグカップにたっぷり注いで飲むもの、そういう現代的な感覚を少しのあいだ忘れて、目の前にあるブリュロと向き合ってみると、その大きくはないカップへ少しのコーヒーを入れてちみちみと飲み進めることの愉しさに、ぐっと感じ入ることができます。

生活習慣や作陶技術、ブリュロの基本的なカタチはさまざまな当時の文化背景があってこそできあがったのだと思いますが、少しのコーヒーだからこそ風味や味わいを意識できて、厚手の飲み口だからこそ、舌触りのやわからさはとても心地よいです。

ポットを横に置いておかわりをしながら飲むと、カップに入れたコーヒーが冷めたりということなく飲めそうですね。あるいはもっと現代的に暮らしへ取り入れるなら、エスプレッソコーヒーを注ぐのにぴったりだと思います。そんなふうにして、使われていた時代のことを想いながら、今の時代への溶け込ませかたを探すことも愉しいです。

 

気軽に手に取り暮らしに取り入れて、過去の時代の文化と現代の暮らしを自由気ままに横断しながら、気持ちよくアンティークと付き合っていきたい。ブリュロは、現代の暮らしでは使われなくなってしまったからこそ、そんなことを改めて思える器です。

ブリュロらしい厚ぼったさがありながらも、現代的な上品さや清潔感を感じることのできるデザインのを中心に仕入れをしていますので、よろしければオンラインショップもご覧くださいませ。

 

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