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Glassware / Items

Baccarat Gobelet forme Bohême

 

1900年代前後。現在市場で見つけることのできるプロダクトの中でも、最も古手な作りのアンティークバカラのゴブレ。

成形型によるマウスブローとその後のハンドカット。コート・プラット (Côtes plates =フラット・リブ)と呼ばれるフランス全土で古くから作りが見られる伝統的なデザインをこれだけの練度で作り上げる職人の技術力の高さに惚れ惚れします。

それでいて凝固したガラスやカッティングの断面には表情があり、古いものならではの人の気配を感じることもできます。オールドクリスタルの素晴らしさが詰まった一品だと思います。

因みにこうしたスクエア型のフォルムのゴブレットグラスは俗にボヘミア風の名で呼ばれますが、オールドクリスタルのなかでは、現地での仕入れはもちろん、見かけることすら珍しい希少な器の1つでもあります。ワインやコニャック、或いはアブサンといった酒類を中心に、当時フランスでは多くの飲み物にステム付きのグラスが用いられていたため、日常の中で馴染みが薄かったのでしょうか。

在庫のうち1点にのみ、1936年以前のバカラで添付されていたブランドシールがついています。

洗浄することで剥がれてしまうシールが残っているということは、それがほとんど未使用(デッドストック)の品であることを示しています。

 

Crystal Glass (クリスタルガラス)

清らかな透明感、美しい輝き、高音の澄んだ音色。まるで天然の水晶のようなであることから、その呼び名で呼ばれるクリスタルガラスは、特に西洋では、装飾芸術としてガラスの価値を高めた存在です。

通常のソーダガラスより硬質で、溶解温度も低く抑えられるという特徴から、繊細なカットやグラヴィールをすることができますが、その成形には高度な知識や技術が必要です。

例えば歴史ある工房では、火を用いてクリスタルを吹く作業「ホットワーク」と、製品を研磨しカットや装飾を施す「コールドワーク」の、それぞれの工程に専門の職人がおり、フランスが世界に誇る著名なクリスタル工房バカラやサンルイは、同国の最優秀職人 M.O.F. (MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE ) を多数輩出しています。

高品質なクリスタルガラス成型は、まさに伝統と技術の結晶です。

 

Baccarat (バカラ)

世界で最も名高いクリスタルガラスのラグジュアリーブランドとして知られるバカラ。

その歴史の始まりは、1764年、フランス王ルイ15世に認可され、ロレーヌ地方のバカラ村に設立されたガラス工房です。1816年、現在でもバカラと並んで称されるクリスタルガラスのブランド、サンルイとの一時的な合併時に技法を学び、最初のクリスタルガラスを工房にて製造。その後、1800年代半ばまでは合併、或いは流通提携を続けますが、1860年「バカラ」として正式に商標登録。現在までその歴史が続いていくこととなります。

デザイン、モデリング、ホットワーク(ガラスの吹き上げ作業)、コールドワーク(カッティング、装飾作業)。あらゆる工程に、超一級の職人の仕事が介在した惚れ惚れする程に素晴らしい作りの工芸品。

クープランでは、そんなアンティークバカラの中から、美しくも現代的な風通しの良さが感じられる、上品な絢爛さを纏った品を厳選、紹介しています。

(ご売約済)

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