menu

Items / Pottery

Choisy le Roi “Dessert Plate 19cm”

 

硬質で実直さを纏った施釉とブルジョワ的古典装飾。背面には、窯を主導した2つの経営一族のラストネーム、オタン家とブーランジェ家の刻印(Hautin et Buulenger)。パリ市民を主要な顧客に隆盛を極めたショワジールロワ、19世紀の象徴デザイン、1850-60年代年頃、古手のリム皿の紹介です。

 

白釉の半陶半磁器、通称テールドフェール。広義には陶器の一種に分類される、19世紀フランスにおける特質でもある作陶技法が用いられた器には、石物のもつ上品な艶やかさや冷たさ(磁器質)と、土物のもつ人の気配や温もり(陶器質)が、均衡し共存しています。

加えて刻みこまれた古色の無垢な美しさは、日常使いにおいて、添える料理を自然に魅せる一助となります。

19世紀にパリ近郊の貴族、ブルジョワたちに向けて作陶されたノーブルな器が、長い時間をかけて自意識を少しづつ失い自然に還り、現代の生活へと心地よく溶け込む。100年を越えたプロセス。無農薬で育てられた歪でいて滋味豊かな有機野菜や、酸化防止剤無添加で土地の個性を素直に反映させた自然派ワイン。個人的に、古色豊かなアンティーク陶器の漂う気配と纏う美しさからは、そうした食物との親和性を感じます。

ぜひ日常の食卓で、その魅力を愉しんでいただけたら。

直径19センチ、見込み径13.5センチ。フランスアンティークにおいては珍しいですね。使い勝手良き小ぶりなサイズです。前菜に、サイドディッシュに。少量でも盛り付けを見栄え良く整えてくれるので、多様なシーンで活躍してくれると思います。

複数枚ストックすれば、取り分け皿にもぴったりです。

 

 

割れや欠けはなくごく古陶器として良能な状態です。各々が経年による風合いを伴っています。纏う雰囲気はどれも近いです。個体の選定は当方にてさせていただきます。気になる点がありましたらお気軽に申しつけください。

 

 

Choisy le Roi (ショワジー ル ロワ)

市民革命を経た1804年、パリから北に10km程離れた郊外に位置する工業地域圏ショワジー ル ロワで、パイヤール3兄弟が開いた窯です。

1863年、イポリット・ブーランジェがディレクターとなったときに急成長を遂げ、1878年にはH.ブーランジェ社 (H.Boulenger&Cie)の名をかざし、当代有数の陶器会社となりました。1920年には、クレイユ エ モントロー社と合併し、HBCM(Hiperolyte Boulanger-Creil-Montereau)社となりました。

※ショワジー ル ロワの地では1934年まで、HBCM社となってからは合併先のモントローの地で1955年まで、作陶が行われました。

1800年代初頭のファイアンスフィーヌから、1800年代半ば以降のテールドフェール(半陶半磁器)まで、特に19世紀を通して単独のショワジールロワとして作陶された品には、フランスの産業革命と並行して隆盛を極めたことを示すブルジョワジー的な堅実な装いのなかに、フランス中心部に窯を構えていたからこそでしょうか、どこか18世紀を思わせる前時代的な貴族趣味も見え隠れし、当代ならではの時の移ろいが強く感じられます。

パリという地が、作陶品の雰囲気を特徴付けると共に、アイデンティティーでもあった窯だと思います。

地図(Click!

 

 

 


 

<Shopping Information>

サイズ: φ19cm
状態: 割れかけなく、ごく良好な状態の古陶器。風合いを写真にてご確認ください。

 

(ご売約済)

Related posts

テキストのコピーはできません。