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Items / Pottery

1850’s Gien “Soupiere en faience blanche”

 

古手の気配、凛としたクラシック意匠。まるで上質な彫刻のようです。

成熟期のファイアンスフィーヌと初期テールドフェール(半陶半磁器)の狭間に位置するような、実直でいて繊細優美な施釉。使い込み刻み込まれた経年跡。19世紀フランスアンティーク陶磁器における文化の芳醇を垣間ます。

1850年代初期。ジョフロワ社経営時代ジアンでの作陶品です。

作陶感に大振りな印象を受け仕入れを躊躇することも多いスーピエールですが、こちらの個体は佇まいに一目惚れでした。小さなサイズ感も好印象です。

美しく静かに佇む姿。モノとして眺めているだけで満足できる一品だと思います。

また装飾性に軽やかな実用性が同居しているのも、蓋付き保存器の魅力ですね。キッチンに添えて茶葉や香辛料のストックに。あるいは室内でインテリアとして飾りながら生活感のある道具を隠す用途に。自由な活用もいただけたらと思います。

 

 

Gien (ジアン)

1821年にフランス内陸部ロワール地方の街ジアンで創業した陶器会社。イギリス人実業家トマス・エドム・フルム (通称 HALL = ホール) によって開窯され、現在に至るまで陶磁器の生産を続けています。

フランス革命を経て1800年代初頭以降、フランスの様々な地方で創業を開始した陶器窯の1つですが、そのルーツとなっているのはパリ近郊で当時大変有力だった陶器窯モントロー。

モントローは、1740年代に開窯後、1774年以降はイギリス人による一族経営が行われていました。その窯の工場の所有権を1819年に売却したトマス・エドム・フルムが、1821年に訪れた街ジアンで、最低限の土地と古い修道院だった建物を買い取り、後世に「ファイアンスフィーヌ」と呼ばれることになるイギリス風上質陶器の製陶を始めたのが、現在のジアンの始まりです。

ジアンのファイアンスフィーヌには、後年の白磁テールドフェールにも近しい、美しくも実直な印象を個人的には持っています。クレイユやモントローといった陶器窯より後発ということもあり、黎明期ファイアンスフィーヌが存在せず、産業革命の影響を受けた盛期ファイアンスフィーヌの個体が多い、ということなのでしょう。

開窯初期に作陶されたジアンのファイアンスフィーヌ陶器は製陶数が多くなく、現在ではとても希少です。

1800年代世紀半ば以降はテールドフェール(半陶半磁器)の製陶を開始し、パリ近郊の陶磁器生産の中核をなします。フランスらしくも都会的で洗練されたジアンの装飾性は当代の他の陶器窯と比べても白眉と感じます。17世紀・18世紀のヨーロッパ各地の名窯からインスピレーションを得て優れた技法を掴み、万国博覧会に出展し金賞という栄誉も獲得するなど名声も広げます。

その後、1900年代以降も、各地の陶器会社が経営難により閉窯していくなか製陶は続き、フランスを代表する陶器会社として未だ成長を続けてきています。

クープランでは創業初期のファイアンスフィーヌや、1800年代半ばから1900年代初期のテールドフェールのアンティークのジアン陶器を主に紹介しています。

 

 

 


 

<Item Information>

サイズ: W22 × D17 × H17cm / 本体 H11.5cm
状態: 蓋側面に削げがあります。古物としての美観を損なうものではありません。

 

(ご売約済)

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