menu

Glassware / Items

1900s probablement Saint-Louis “Verre à eau”

 

1900年代初期の上質なクリスタルガラス。

初見の希少なモデル。成形はおそらくクリスタルリー・サンルイ(1930年発刊工房カタログより、品番375)、ホテルやレストランに向けたプロユースライン。ステム付きの水用グラスです。

モデル名を翳したような知名度の高いデザインとは異なり、カタログ後方、ページ外れにあるようなマイナーデザインは、多くは受注品で個体数が少なく、出自特定の困難なことも多いですが、出逢いの喜びこそは古物の醍醐味で、それに何より、作りの上質さは記号不要で物自体が語りかけてくれます。

緻密な設計に基づき、熟練した職人によるマウスブローで仕上げられた器の佇まいは、実直でいてエレガント。19世紀的な面影を残した古ガラスのゆららかな表情もとても魅力的です。サンルイやバカラといった限られた工房でのみ成形し得たクリスタルガラス器の美質を存分に纏った一品です。

 

Saint-Louis (サンルイ)

世界で最も名高いガラス工房の1つとして知られるクリスタルガラスのラグジュアリーブランドです。

その歴史は約400以上の長きに渡っています。1586年、フランス、ロレーヌ地方でミュンツタール工房としてガラスの製造を開始し、1767年、時の王ルイ15世に認められ、聖王ルイ9世にちなんだサンルイ (Saint Louis)の名を授かりました。

1787年には、フランス国内のあらゆる工房に先駆けて。ガラスよりも透明度の高い鉛クリスタルの開発に成功。それを受けて、フランス王立科学アカデミーから「サンルイ王立クリスタル工房」という呼び名を与えられ現代に至っています。

1800年代半ばにはバカラと一時的な合併をしていたことでも有名です。バカラのクリスタルガラスの成型技術は、その多くをサンルイの工房から学んでいます。また現在はエルメスグループの一員です。

デザイン、モデリング、ホットワーク(ガラスの吹き上げ作業)、コールドワーク(カッティング、装飾作業)。あらゆる工程に、超一級の職人の仕事が介在した惚れ惚れする程に素晴らしい作りの工芸品。

クープランでは、そんなアンティークサンルイの中から、美しくも現代的な風通しの良さが感じられる、上品な絢爛さを纏った品を厳選、紹介しています。

 

 

Crystal Glass (クリスタルガラス)

清らかな透明感、美しい輝き、高音の澄んだ音色。まるで天然の水晶のようなであることから、その呼び名で呼ばれるクリスタルガラスは、特に西洋では、装飾芸術としてガラスの価値を高めた存在です。

通常のソーダガラスより硬質で、溶解温度も低く抑えられるという特徴から、繊細なカットやグラヴィールをすることができますが、その成形には高度な知識や技術が必要です。

例えば歴史ある工房では、火を用いてクリスタルを吹く作業「ホットワーク」と、製品を研磨しカットや装飾を施す「コールドワーク」の、それぞれの工程に専門の職人がおり、フランスが世界に誇る著名なクリスタル工房バカラやサンルイは、同国の最優秀職人 M.O.F. (MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE ) を多数輩出しています。

高品質なクリスタルガラス成型は、まさに伝統と技術の結晶です。

(ご売約済)

Related posts

テキストのコピーはできません。