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Items / Silverware

Couteau en Argent Massif et Èbène

 

1819-1838年製。黒檀ハンドルに純銀刃のフロマージュナイフです。

ミネルヴァ以前、老人の横顔の純銀刻印。こうした端正で均衡のとれた黒色の道具・装飾品はルイ・ナポレオンの帝政期(在位:1852年 – 1870年)と意匠の世間的な流行りが重なったことから、ナポレオン3世様式として広く知られますが、そこから、さらに遡ること15〜30年前の成型品。ごく古手であり、そして未来への萌芽を感じる一品です。

19世紀の裕福なノーブルなブルジョワ家庭に納品されたであろう一式は、当代固有のクラシックな美質を湛えながらも、同時に現代性を有しています。

やわらかくも凛々しい美しさ。

天然無垢の黒色が、空間を上品に引き締めます。

 

Argent Massif (純銀器)

素地に別の金属を使うことなく、純度の高い銀のみで成形された純銀器。

美しい輝き、優しい肌触り、食器やグラスに触れたときの綺麗な響き。
そして純銀製だからこそ実現する薄くて軽く、繊細な作り。

クープランでは、鈍い輝きを湛えた18〜19世紀の古手の純銀器を紹介しています。

19世紀、産業化の波のなかでヨーロッパの家庭やレストラン、ホテル等さまざまなシーンに所謂シルバープレート (真鍮や洋白等の下地を銀で覆った銀) の銀器が普及しましたが、純銀器は未だにごく一握りの人々のための高価な品物でした。アンティーク市場でもたくさんは見つからない希少な存在です。

 

L’argent massif en France (フランスの純銀器)

クープランで主に紹介をしている19〜20世紀初期頃のフランスの純銀 (=Argent Massif) には2つの種類があります。

純度95%のプルミエ ティトル (1er titre)、純度80%のドゥズィエーム ティトル (2e titre)。ごく柔らかな素材であることから純銀であっても、銅などの別の金属を素材を少量だけ混ぜて成形をされるのが通例なのですが、その純度に応じて呼び方が異なっています。

性質上プルミエはとても柔らかく、ドゥーズィエームはほんの少しだけ硬質になります。

見分け方はフランス国内で統一して使われていた刻印。例えば1838年から1900年代半ばまでの純銀器にはミネルヴァ (ローマ神話の女神) の横顔の刻印が打たれており、その横に一緒に刻まれている数字「1」「2」を見て、純度を判断します。或いは、アクセサリー等の小物類には猪や蟹の刻印が打たれており、こちらは純度80%であることを保証しています。銀が資産の1つとして捉えられていた時代の名残を組んで打たれた保証のための刻印が、作りの詳細を知る手がかりとなります。

 


 

銀器の普段の使い方とお手入れ方法

銀器は使っていると空気に触れて色がくすんでいきます。

・洗ったあとはできるかぎりすぐに拭いてあげてください。
・毎日と言わずとも定期的に使ってあげることが大切です。

黒ずみが気になるときはお鍋に熱いお湯を張り、アルミホイルと重曹を入れ銀器を浸しください。銀が輝きを取り戻します。またこの方法であれば、銀器の量が増えても、手間が増えずにお手入れいただけると思います。それぞれの銀器は重ねずに離していただいたほうが、効果は出やすいです。

※鍋はアルミ以外の素材を使用してください。
※シルバーナイフについてのみ、ハンドルとブレードの接合部がニワカという熱に弱い糊で接着されているため、上記方法には注意が必要です。

説明をすると面倒な素材に聞こえますが、実際は想像よりずっと気軽に使っていただけると思います。ぜひ暮らしのなかで程よく気をかけてあげながら、銀器と付き合ってみてください。

(ご売約済)

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