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Curiosité / Items

Dessin au Lavis XIXème “Paris”

 

纏う空気に自身の感性が共鳴し、スッと手が伸び選びとる。
名もなき書き手による絵画の仕入れというのはそういう行為。

パリ郊外のメゾンから出てきた19世紀の素敵な淡彩画の紹介です。

単色の水彩や墨のみを用い明暗・濃淡を表現するラヴィと呼ばれる技法で描かれた、繊細で柔らかな風景。空、木々、山々。画紙の大部分に自然物を捉えながらも、木々の奥や脇に描かれた建造物からは人の営みの気配が微かに感じとれる。気持ちのいいバランスです。脇の建造物は、屋根飾りと色合いから想像するに、白亜のオスマニアン建築でしょうか。

譲ってくれたディーラーより、パリ19、20区周辺を描いたものだということを伝え聞いています。

塗料は恐らくヨーロッパで古くからインクの漬けペン用に用いられてきたセピア(イカ墨)。技法と画紙のサイズ感、題材を踏まえると、作者は所謂エコール・フランセーズ、かつてのフランスの学生である可能性が高そうです。

クラシックでいて素朴な佇まい。室内装飾品としての取り合わせのしやすさも魅力だと思います。

(ご売約済)

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