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Curiosité / Items

Bourse en Argent Massif

 

19世紀末フランス、ごく上質な純銀製の美しいコインケース、貴重品入れの紹介です。

時代柄、より絢爛で装飾性の高い個体も多いですが、写真の品は、19世紀フランスの気配を纏いながらも、ニュートラルな風通しの良さがあり、そんなバランス感覚にクープランとして心惹かれ手に取りました。

こうした小さな貴重品入れは、ベルトの脇やヘアネットの中といった衣服の内側に、小銭や鍵を忍ばせ仕舞う用途で主に用いられました。

中世の甲冑をルーツとして、19世紀後期から20世紀最初期頃に服飾小物の一形態として流行した鎖帷子 (くさりかたびら) は、簡単なものでも1つできあがるのに一週間近くかかったそうです。当然ながら非常に高価で、貴族やブルジョワ階級に属していた限られた女性だけが携帯を許されました。

職人仕事によるごく繊細な工芸品としての側面も併せ持った希少な服飾アンティーク小物です。

鎖帷子の破損などはなく、塗銀の質も素晴らしい。おそらくはデッドストックでしょうか。ここまで良い状態の個体は殆ど見つかりません。

古きフランスの香りを鞄にそっと忍ばせ携帯する。そんなちょっとロマンチックで素敵な日常を想像してしまいます。

 

Argent Massif (純銀器)

素地に別の金属を使うことなく、純度の高い銀のみで成形された純銀器。

美しい輝き、優しい肌触り、食器やグラスに触れたときの綺麗な響き。
そして純銀製だからこそ実現する薄くて軽く、繊細な作り。

クープランでは、鈍い輝きを湛えた18〜19世紀の古手の純銀器を紹介しています。

19世紀、産業化の波のなかでヨーロッパの家庭やレストラン、ホテル等さまざまなシーンに所謂シルバープレート (真鍮や洋白等の下地を銀で覆った銀) の銀器が普及しましたが、純銀器は未だにごく一握りの人々のための高価な品物でした。アンティーク市場でもたくさんは見つからない希少な存在です。

 

L’argent massif en France (フランスの純銀器)

クープランで主に紹介をしている19〜20世紀初期頃のフランスの純銀 (=Argent Massif) には2つの種類があります。

純度95%のプルミエ ティトル (1er titre)、純度80%のドゥズィエーム ティトル (2e titre)。ごく柔らかな素材であることから純銀であっても、銅などの別の金属を素材を少量だけ混ぜて成形をされるのが通例なのですが、その純度に応じて呼び方が異なっています。

性質上プルミエはとても柔らかく、ドゥーズィエームはほんの少しだけ硬質になります。

見分け方はフランス国内で統一して使われていた刻印。例えば1838年から1900年代半ばまでの純銀器にはミネルヴァ (ローマ神話の女神) の横顔の刻印が打たれており、その横に一緒に刻まれている数字「1」「2」を見て、純度を判断します。或いは、アクセサリー等の小物類には猪や蟹の刻印が打たれており、こちらは純度80%であることを保証しています。銀が資産の1つとして捉えられていた時代の名残を組んで打たれた保証のための刻印が、作りの詳細を知る手がかりとなります。

 


 

銀器の普段の使い方とお手入れ方法

銀器は使っていると空気に触れて色がくすんでいきます。

・洗ったあとはできるかぎりすぐに拭いてあげてください。
・毎日と言わずとも定期的に使ってあげることが大切です。

黒ずみが気になるときはお鍋に熱いお湯を張り、アルミホイルと重曹を入れ銀器を浸しください。銀が輝きを取り戻します。またこの方法であれば、銀器の量が増えても、手間が増えずにお手入れいただけると思います。それぞれの銀器は重ねずに離していただいたほうが、効果は出やすいです。

※鍋はアルミ以外の素材を使用してください。
※シルバーナイフについてのみ、ハンドルとブレードの接合部がニワカという熱に弱い糊で接着されているため、上記方法には注意が必要です。

説明をすると面倒な素材に聞こえますが、実際は想像よりずっと気軽に使っていただけると思います。ぜひ暮らしのなかで程よく気をかけてあげながら、銀器と付き合ってみてください。

(ご売約済)

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