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Items / Pottery

Bordeaux Plat à Barbe

 

かつての髭剃り師のための陶皿です。

この道具を用いたもっとも有名な職業人は、なんと言っても『セビリアの理髪師』『フィガロの結婚』のフィガロでしょう。18〜19世紀、多くの出稼ぎ労働者がヨーロッパ中を駆け巡り、フィガロのように、理髪師(髭剃り師 = Barbier)、より広範には何でも屋として活躍をしたと言います。

婉曲したリムに顎を乗せ、くぼんだ見込みに髭を剃り落とす。
食器ではなく、道具であることから、背面は壁飾りをできる仕様にもなっています。

天空の城ラピュタのパズーのようにラッパを吹き鳴らし、村の男たちを呼び集めて髭を整えては、また次の村へ。縄張り地域をもつ者もいれば、定住して店を構えた者もいたことでしょう。古き時代の仕事から感じる生活の気配。

フランスでは、プロヴァンスやガスコーニュ地方を出身とする者が多かったというこの職業。紹介は、まさにガスコーニュ地域の中心都市ボルドーの窯で、19世紀半ばに作陶された一品です。細やかで端正なモデリングに、ガラス質を帯びた上品でまろやかな白釉掛け。この種の器はカタチ自体は見かけることも多いからこそ、加えて造りの良質さや独自性に拘りたくなるのですが、古き道具の好奇心を満たしてくれると同時に、ボルドー窯固有の美しさも味わっていただけることと思います。

 

Bordeaux – Jules Vieillard et Cie / ジュール・ヴィエイヤール・ボルドー

ジュール・ヴィエイヤール社(Jules Vieillard et Cie)。ジュール・ヴィエイヤール・ボルドーとも呼ばれます。1835年、イギリス人のデヴィッド・ジョンストンが、多くの職人達を引き連れボルドーの街に開窯したのが歴史の始まりです。その後1845年に後継者として、ジュール・ヴィエイヤールが会社を引き継ぎ、社名を改め、1895年までその歴史は続きました。パリ万国博覧会で賞を得るなどした、フランス南西部を代表する、当代随一の陶器窯です。

 


 

φ25.5 H8.5cm

(ご売約済)

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