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Richter Quatuors opus 5

 

<Information>

演奏: リンコントロ四重奏団(古楽器使用)

 


 

Healing Music in the mid-18th Century, selected by couperin

2歩、3歩と歩みを進めていくことを踏まえた道標となるクラシック音楽の紹介がしたいなと考えたとき、1740〜1770年代ごろにヨーロッパのいくつかの地域で親しまれた種類の音楽、その中でも特に編成の小さな室内楽曲を古楽器で奏でたものが最初に思い浮かびます。

18世紀の音楽というのは、1700〜50年頃、バロック最後期のバッハ、1800年代前後、古典派と呼ばれるモーツァルトとハイドンといった、ごく数人の名のある作曲家のみが語られることも多いです。

けれど今という時代に自然な姿勢で向き合うのなら、世紀半ばの忘れられた存在の中にこそささやかに魅力的な音楽が潜んでいるように思います。

対位法に基づいたより学術的・数学的なバロックから、より和声的・旋律的な古典派への「転換点」に作られた曲々は、様式の同居こそが生む過渡期的浮遊感を纏っています。今後も芸術の極地として広く知られていくものではないのかもしれません。けれど固有の癖が控えめな音楽は、強奏や激しい緩急といった劇的な演出をしていない慎ましくて優しい古楽器の音色で聴いたときに、肩肘張らない心地よさを感じます。

緊張感ある知的な戯れに、流麗さと素朴さが相まった古くて新しい響き。
端正に整えられた美しさ。

暮らしの背景にも自然と馴染むアルバムを、couperinならではのカタチで紹介します。

 


 

アルバムについての覚え書き

1700年代半ば、当時ヨーロッパで最高水準を誇ったドイツ南西部、マンハイムの宮廷楽団に所属し、後年にはストラスブール大聖堂の宮廷楽長も務めた作曲家フランツ・クサヴァー・リヒターによる、対位法を用いた前時代(バロック)的な性格と、新時代(古典派)の芽生えを感じさせる端正で美しい響きが同居した弦楽四重奏曲。

1780年代、かのモーツァルトがバロック最後期の偉人バッハの楽曲を弦楽四重奏用に編曲した佳品。

時代が新しい音楽様式を模索するなかにあって、「対位法」という古臭くも奥深き魅力の虜となっていたという点で共通する2人の作曲家が、異なるアプローチで過去と向き合い生まれた作品が相互に収められたアルバムです。

情感をたたえて鳴り響く旋律の美しさと、精密な対位法の併存をお楽しみいただけます。

 

リンコントロ四重奏団 (Ricontoro)

古楽アンサンブル「カフェ・ツィマーマン」の奏者4人によって結成された弦楽四重奏団。ヴァイオリンのパブロ・バレッティとアマンディーヌ・ベイエール、ヴィオラのパトリシア・ガニョン、チェロのペトル・スカルカ。ヨーロッパ最前線の古楽指揮者のもとで活躍するトップ奏者のみで結成された精鋭アンサンブルです。

 

弦楽四重奏曲集 作品5 / フランツ・クサヴァー・リヒター(1709 – 89)
そのほか小品 / ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756 – 1791)

弦楽四重奏曲 ハ長調 作品5-1
01. アレーグロ・コン・ブリオ

02. アンダンテ・ポーコ
03. リンコントロ(出会い):プレスト

04. 2挺のヴァイオリン、ヴィオラとバスのためのフーガ ニ短調 K.405-4
(J.S.バッハ『平均律クラヴィーア曲集』第2巻 フーガ 嬰ニ短調 BWV877 より編曲)

弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品5-2
05. ポーコ・アレグレット

06. ポーコ・アンダンテ
07. フガート:プレスト

08. 2挺のヴァイオリン、ヴィオラとバスのためのフーガ ホ長調K.405-3
(J.S.バッハ『平均律クラヴィーア曲集』第2巻 フーガ 嬰ニ短調 BWV877 より編曲)

弦楽四重奏曲 イ長調 作品5-3
09. ポーコ・アレグレット

10. ポーコ・アンダンテ

11. テンポ・ディ・メヌエット/トリオ

12. 二度のカノン ハ長調 K.562c=K.anh.191

 

(ご売約済)

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