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今では生産をされていないファイアンス陶器や半陶半磁器のオクトゴナルプレート。19世紀末から20世紀にかけて生きた芸術家、パブロ・ピカソが愛したことで有名な器です。

と聞くだけで、自分なんかは器の持つ魅力がさらに増して見えてしまったりします。なんだか浅はかだなぁなんて思ったりもするのですが、自分が暮らしに取り入れられるようなアンティークを紹介するのは、そんなエピソードに堪らなくロマンを感じるからです。

 

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couperinで紹介するアンティークはアートとして評価されるようなものでも、美術品として絶対の価値があるものではありません、けれどもcouperinでは、例えば美術館で『フランス陶芸の歴史』というような企画展があったら展示をされるようなものを扱い、そしてきっとオクトゴナルプレートは『パブロ・ピカソのアトリエ』というような展示室があったら、そこに室内装飾品の1つとして加えられるものなのだと思います。

歴史の過程を語るなかで、その語り方によって価値が見いだされるようなもの。

切り口や視点によって価値も変わってくるし、個人の想いというものが含まれることも多分にあるのだと思います。けれど商業品でもなければ絶対的な価値のある美術品でもない、その緩い距離感こそが、生活骨董といわれるようなアンティークの魅力だと思っています。

だからやっぱり自分は「パブロ・ピカソが愛したと器」いうエピソードに惹かれます。自分が生まれるずっと前に作られ、今では作られていない器。そしてあのピカソが生前に使っていた器。自分自身がそれを手にしたときに、ロマンを感じさせてくれるのには十分です。

 

オクトゴナルプレート。今、目にするは1900年代初頭に復刻されたクレイユ・エ・モントロー窯のものが多いですが、クレイユ・エ・モントロー窯の前身で合併をする前のクレイユ、モントロー。或いはシャンティやジアン等、さまざまファイアンス窯で作られました。20世紀になって作られたのは上述したクレイユ・エ・モントロー窯のものが主なので、ピカソのもそうなのかなと考えを巡らせたりします。

決して耐久性が強いとは言えない素材だからこそ持っている繊細で柔らかい雰囲気。リムの幅と受け皿の部分が絶妙なバランスで計算されたデザイン。

オクトゴナルプレートというのは絵付けのされたものや、リムの厚さが違うものなどいくつかのデザインを目にすることがありますが、クレイユ・エ・モントロー窯を始めとしたこの無地のファイアンスの持つ素材感と、無駄のないデザインが醸し出す佇まいには、凛とした気品があります。

モノとしての魅力、ストーリーの魅力、様々合わさって今自分はこの器に惹かれます。パブロ・ピカソの目にこの器がどう映ったかは分からりません。けれど時代や目線が変わっても、同じモノを愛せるということに愉みながら、この器とは付き合っていきたいなと思います。

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