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Glassware / Items

1900s Baccarat “Stem Glass”

 

推定1900年代初期。
静謐で絢爛なカッティング。アンティークバカラのステムグラスの紹介です。

ヴェネツィアの小舟からその名を取りゴンドラ型 (forme Gondole) と総称される柔らかなカップ、フランスの工芸品に伝統的に見られる支柱装飾 (jambe Balustre) を模した繊細なステム。

カッティングは縦に施したものがモデル・パリの名で知られていますが、横型もあるのですね。所謂「当時のバカラカタログ」にも記載がない作りです。

例えば注文主の依頼で別注生産するというようなことがあったため、カタログ表記と若干違うデザインというものがアンティークバカラにはしばしば見られますが、こちらのグラスもそうした経緯で生まれたものだったのでしょうか。

個人的にもごく好みな、アンティークバカラのなかでも最もフェミニンな上品さと纏ったステムデザインと全体のプロポーションに、配された細やかなカッティングのバランス。とても美しいです。1936年以前、無刻印時代の古い作りのバカラならではの職人の気配感じる軽やかさから、薄手の作りまで、さまざまな要素が高い完成度で結実している一品だと思います。

 

Baccarat (バカラ)

世界で最も名高いクリスタルガラスのラグジュアリーブランドとして知られるバカラ。

その歴史の始まりは、1764年、フランス王ルイ15世に認可され、ロレーヌ地方のバカラ村に設立されたガラス工房です。1816年、現在でもバカラと並んで称されるクリスタルガラスのブランド、サンルイとの一時的な合併時に技法を学び、最初のクリスタルガラスを工房にて製造。その後、1800年代半ばまでは合併、或いは流通提携を続けますが、1860年「バカラ」として正式に商標登録。現在までその歴史が続いていくこととなります。

デザイン、モデリング、ホットワーク(ガラスの吹き上げ作業)、コールドワーク(カッティング、装飾作業)。あらゆる工程に、超一級の職人の仕事が介在した惚れ惚れする程に素晴らしい作りの工芸品。

クープランでは、そんなアンティークバカラの中から、美しくも現代的な風通しの良さが感じられる、上品な絢爛さを纏った品を厳選、紹介しています。

 

Crystal Glass (クリスタルガラス)

清らかな透明感、美しい輝き、高音の澄んだ音色。まるで天然の水晶のようなであることから、その呼び名で呼ばれるクリスタルガラスは、特に西洋では、装飾芸術としてガラスの価値を高めた存在です。

通常のソーダガラスより硬質で、溶解温度も低く抑えられるという特徴から、繊細なカットやグラヴィールをすることができますが、その成形には高度な知識や技術が必要です。

例えば歴史ある工房では、火を用いてクリスタルを吹く作業「ホットワーク」と、製品を研磨しカットや装飾を施す「コールドワーク」の、それぞれの工程に専門の職人がおり、フランスが世界に誇る著名なクリスタル工房バカラやサンルイは、同国の最優秀職人 M.O.F. (MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE ) を多数輩出しています。

高品質なクリスタルガラス成型は、まさに伝統と技術の結晶です。

(ご売約済)

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