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Items / Pottery

Choisy le Roi “Botanical Moutardier”

 

1870-80年頃、ショワジールロワのコバルト絵付けのムータルディエ。

彫刻的な佇まいと自由なボタニカルモチーフ。西洋的な装飾性を纏いながらも、小ぶりでかわいらしいサイズ感なので、華美に寄ることはなく、全体は慎ましやかに落とし込まれています。

盛期テールドフェールの実直さと品性を兼ね備えた、良質な白釉も素敵です。

ムータルディエ。本来はマスタード用のポットとなります。フランス文化を感じる食器ですね。スプーンを添える窪みがあるので実用性もとても高いです。日常使いしたい塩、砂糖、スパイスの保存にいかがでしょうか。

造形美と深いコバルトを空間の心地よいアクセントに。食空間に溶け込む、好ましい西洋装飾古陶器です。

 

 

Choisy le Roi (ショワジールロワ)

市民革命を経た1804年、パリから北に10km程離れた郊外に位置する工業地域圏ショワジー ル ロワで、パイヤール3兄弟が開いた窯です。

1863年、イポリット・ブーランジェがディレクターとなったときに急成長を遂げ、1878年にはH.ブーランジェ社 (H.Boulenger&Cie)の名をかざし、当代有数の陶器会社となりました。1920年には、クレイユ エ モントロー社と合併し、HBCM(Hiperolyte Boulanger-Creil-Montereau)社となりました。

※ショワジー ル ロワの地では1934年まで、HBCM社となってからは合併先のモントローの地で1955年まで、作陶が行われました。

1800年代初頭のファイアンスフィーヌから、1800年代半ば以降のテールドフェール(半陶半磁器)まで、特に19世紀を通して単独のショワジールロワとして作陶された品には、フランスの産業革命と並行して隆盛を極めたことを示すブルジョワジー的な堅実な装いのなかに、フランス中心部に窯を構えていたからこそでしょうか、どこか18世紀を思わせる前時代的な貴族趣味も見え隠れし、当代ならではの時の移ろいが強く感じられます。

パリという地が、作陶品の雰囲気を特徴付けると共に、アイデンティティーでもあった窯だと思います。

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<Information>

サイズ: φ12 H10.5cm
状態: 割れかけはなく良好な状態です。

 

(ご売約済)

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