Glassware / Item

1960’s Baccarat Flûte à Champagne

 

リベラックのモデル名を翳したバカラのフルートグラス。1960年代。

幾度か仕入れたことがある好みなモデルですが、ここまでボウルが細身の作りは初見でした。
器丈20.8センチ、食卓ですらりと佇みます。

バカラ職人の熟練した技巧が、力むことも手を抜くこともなく、ごく自然にストンっと落とし込まれています。当代の潮流が垣間見えるモダンなプロポーションは、とても気持ちがいいです。

オールドバカラ、そんなふうにひと括りに記号化されることも多いですが、実際には年代ごとに各々の美質や纏う気配があります。50-70年代初期ごろのシンプルなバカラテーブルウェアの白眉は、職人による成形過程とプロダクトデザインの均衡が、当たり前のように美しく保たれていることだなと個人的に。

厳しくて優しい。クープランにとっては、19世紀以前と現代という2つの時間を繋いでくれる存在でもあります。

背面にはアシッドエッチングによりオールドバカラの刻印入り。

 

Baccarat (バカラ)

世界で最も名高いクリスタルガラスのラグジュアリーブランドとして知られるバカラ。

その歴史の始まりは、1764年、フランス王ルイ15世に認可され、ロレーヌ地方のバカラ村に設立されたガラス工房です。1816年、現在でもバカラと並んで称されるクリスタルガラスのブランド、サンルイとの一時的な合併時に技法を学び、最初のクリスタルガラスを工房にて製造。その後、1800年代半ばまでは合併、或いは流通提携を続けますが、1860年「バカラ」として正式に商標登録。現在までその歴史が続いていくこととなります。

デザイン、モデリング、ホットワーク(ガラスの吹き上げ作業)、コールドワーク(カッティング、装飾作業)。あらゆる工程に、超一級の職人の仕事が介在した惚れ惚れする程に素晴らしい作りの工芸品。

クープランでは、そんなアンティークバカラの中から、美しくも現代的な風通しの良さが感じられる、上品な絢爛さを纏った品を厳選、紹介しています。

 

Crystal Glass (クリスタルガラス)

清らかな透明感、美しい輝き、高音の澄んだ音色。まるで天然の水晶のようなであることから、その呼び名で呼ばれるクリスタルガラスは、特に西洋では、装飾芸術としてガラスの価値を高めた存在です。

通常のソーダガラスより硬質で、溶解温度も低く抑えられるという特徴から、繊細なカットやグラヴィールをすることができますが、その成形には高度な知識や技術が必要です。

例えば歴史ある工房では、火を用いてクリスタルを吹く作業「ホットワーク」と、製品を研磨しカットや装飾を施す「コールドワーク」の、それぞれの工程に専門の職人がおり、フランスが世界に誇る著名なクリスタル工房バカラやサンルイは、同国の最優秀職人 M.O.F. (MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE ) を多数輩出しています。

高品質なクリスタルガラス成型は、まさに伝統と技術の結晶です。

 


 

Cup φ5.2 / Stem φ6.3 × H20.8cm

(ご売約済)

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