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Items / Pottery

Gien Petite Tasse 1870-80

 

1875〜90年代頃、ロワール地方ジアン。古造りの半陶半磁カップです。

仄かに染まった胴に、控えめながら西洋らしい装飾性が施されたハンドル。本来はソーサーも付設していたものかもしれませんが、大きすぎず小さすぎることもなく、一杯注いで飲み切ったときに程よく満足できる寸法が気が利いていて、好ましさを覚えます。

楚々とした佇まいはさり気なく、自然と生活に寄り添ってくれそうです。

 

Gien (ジアン)

1821年にフランス内陸部ロワール地方の街ジアンで創業した陶器会社。イギリス人実業家トマス・エドム・フルム(通称 HALL = ホール)によって開窯され、現在に至るまで陶磁器の生産を続けています。

フランス革命を経て1800年代初頭以降、フランスの様々な地方で創業を開始した陶器窯の1つですが、そのルーツとなっているのはパリ近郊で当時大変有力だった陶器窯モントロー。

モントローは、1740年代に開窯後、1774年以降はイギリス人による一族経営が行われていました。その窯の工場の所有権を1819年に売却したトマス・エドム・フルムが、1821年に訪れた街ジアンで、最低限の土地と古い修道院だった建物を買い取り、後世に「ファイアンスフィーヌ」と呼ばれることになるイギリス風上質陶器の製陶を始めたのが、現在のジアンの始まりです。

ジアンのファイアンスフィーヌには、後年の白磁テールドフェールにも近しい、美しくも実直な印象を個人的には持っています。クレイユやモントローといった陶器窯より後発ということもあり、黎明期ファイアンスフィーヌが存在せず、産業革命の影響を受けた盛期ファイアンスフィーヌの個体が多い、ということなのでしょう。

開窯初期に作陶されたジアンのファイアンスフィーヌ陶器は製陶数が多くなく、現在ではとても希少です。

1800年代世紀半ば以降はテールドフェール(半陶半磁器)の製陶を開始し、パリ近郊の陶磁器生産の中核をなします。フランスらしくも都会的で洗練されたジアンの装飾性は当代の他の陶器窯と比べても白眉と感じます。17世紀・18世紀のヨーロッパ各地の名窯からインスピレーションを得て優れた技法を掴み、万国博覧会に出展し金賞という栄誉も獲得するなど名声も広げます。

その後、1900年代以降も、各地の陶器会社が経営難により閉窯していくなか製陶は続き、フランスを代表する陶器会社として未だ稼働し続けてきています。

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約 口径7 / 幅9.2 / 高6.3センチ

ハンドル上部内側に釉が掛かっていない箇所があります(スライド写真3枚目)。
作陶時の窯傷で、ヒビではありませんのでご安心ください。

(ご売約済)

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