Item / Pottery

Albarello en Faïence à fond bleu

 

18世紀頃、スペイン、カタルーニャ地方のアルバレロ(薬壺)です。

白の錫釉陶器と存在を対にするようにして、ヨーロッパ大陸の一部地域や窯において青の陶器が作られました。

16世紀以来、ペルシアから輸入された酸化コバルトを主たる顔料にして、同地域のラピスラズリを思わせる濃青色の陶器、或いはシリアやエジプトの中東ガラスを憧憬しながら、各国・地域で独自に発展と変容をしたとされます。

東洋の影響が強い白錫釉の器々とは、また異なるニュアンスを纏った古陶です。

特に近世以降のスペインでは、絵付けのない簡略様式とも呼ぶべき器胎全体を青で覆ったアルバレロが、他のヨーロッパ諸国と比べても好んで作られたことが知られています。すでにキリスト教化が進んでいたとは言え、それはレコンキスタ以来のイスラム文化の影響の一端とも捉えられるでしょうか。

淡くゆるやかな色調に、イベリア半陶気質とも呼びたくなるような朗らかな風通しのよさを感じました。最初期ではなく、多少時代を経た頃の作りということもあってか、土地の気候風土が作行きに一層素直に反映しているように思われ、そうした気配も含めて日本に運んできたつもりです。

飾って絵になり、歴史への想像を掻き立てられる、そんな一品だと思います。

 


 

約 径12 / 高27 センチ

販売価格(税別)
¥80,000
Stock:1点

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