Item / Pottery

Musique sur Faïence

 

18世紀、フランスのファイアンス焼き色絵皿。

夜明け前から始まる大きな田舎のブロカントで、恐らくはあまり関心を示されることもなく、日が昇る頃までスタンドに並び続けていたところを救い出した1枚です。もちろん、クープランの名を翳す店として、音楽がモチーフに描かれたいたことが目に留めるきっかけで、とは言え、手元に寄せたいと心動かされたのは、描き手の足していくにおけるセンスと経年による古色の雰囲気の混じり合う塩梅の心地よさでした。

朗らかで愉しげな色絵は、程よく余白もとられ節度を感じます。ごく控えめな唐草を携えたガーランド文様。中心に添えられたのは草木と楽譜に、対で描かれた楽器。まだ縦笛がフルートと呼ばれていた時代ですね。加えて釉が剥落して露わになる口縁の地胎が一層雰囲気をつくっています。

店では壁の飾り皿としてしていました。食卓で使いこなせたら、それはなんとも素敵とも思います。

因みに話は少し逸れますが、もう1点言及しておきたいのは、背面に罰点「×」の印が刻まれていることです。ムスティエを主とした18世紀、プロヴァンスの作陶品であることを示すと一般的にはされている窯印です。ただ、こちらの皿の胎土と施釉は明らかにそれとは異なり、フランス中部以北の特徴を持っています。陶工の移住は一般的だった時代でもありますし、プロヴァンス出身の人物による作りでしょうか。確たることは言えませんが、いずれにしても当時の窯業の実態を紐解くきっかけの1つにもなりそうな作例だと思います。

 


 

直径23 /  高さ3.5cm

備考:
写真に写っている皿用の壁掛けフック(フランス製のヴィンテージ品)もサービスでお譲りすることができます。
希望の場合はご注文時に備考欄に書き添えください。

(ご売約済)

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