Item / Pottery

Montereau Plat Carré en Faience fine

 

1830年代頃、合併前、初期モントローの角皿です。

フランスらしいクラシックが漂う彫刻的な一品。直線のみで構成された潔く凛とした佇まいに華美な印象は受けず、現代的な風通しのよさが感じられます。上質陶器/ファイアンスフィーヌの美質である陶胎の薄さと釉の高い透明度により緊張感を纏いつつ、プロダクトとしての実直さも備えています。

元々は果実のコンポートを盛り付けたり、或いはクリームポット(蓋付デザート容器)の受け皿とされたもの。洋菓子皿として、或いはフロマージュやシャルキュトリを添える前菜皿にしても、きっととても素敵です。

見つけた時点で瑕疵がありましたが、捨て置けませんでした。ヘアラインを漆で継いでいます。

 

Montereau (モントロー)

パリ南東の郊外外れ、セーヌ川とヨンヌ川の合流点に位置する歴史ある街、モントロー=フォール=ヨンヌにかつて存在した陶器窯。

1720〜40年頃まで村に存在した小さな工場で、1745年頃より英国風陶器製陶を開始し、1749年に大規模な窯を設置したのが歴史の始まりです。

最初期に製陶していた英国風陶器はフランス国王により生産を禁止され、作品も全て国王に献上するという憂き目にあいますが、技術開発を続けたモントローは、フランス独自の美しい陶器「ファイアンスフィーヌ」を、1830年代頃まで製陶し続けました。

1774年以降、イギリス人の経営者による発展が顕著で、特に1796年〜1805年の間、当時のフランス陶磁器界における名経営者、イギリス人クリストフ・ポッター(Christophe Potter)の時代に、プロト工業化(機会工業化に先立つかたちで進行した、手工業生産の拡大)を行うことで、大きく進歩しました。ポッター後は、同英国人のホール夫妻により経営が続けられました。1774〜1819年頃のあいだが単独のモントロー窯としては最盛期と呼べると思います。

その後、1819年にモントローの窯は、クレイユ窯の所有者でもあったサン・クリーク・カゾーに譲渡され、クレイユエモントローとなり、その歴史を続けていくことになります。

地図(Click!

 


 

幅 26.1 / 奥行26.1 / 高3cm

備考:
元々あったヘアラインは黒漆で継いであります。

(ご売約済)

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