Curiosité / Item

18th Century Enamel Glass Bottle

 

18世紀の祝祭用酒瓶です。

高さ約9センチ。掌に収まる程の小さなちいさな器だったからこそ一層惹かれたように思います。オー・ド・ヴィー用とされる寸法です。多少エナメルの剥離やガラスの腐食もあり完器ではないのですが、その健気な姿が愛らしく、小ささゆえに色彩が外ではなく内に向かっていくような密度が感じられて、宝石とも呼びたくなるような趣があります。

こうしたエナメル絵付けの瓶は、現在のドイツ、オーストリアを中心に、スイスやフランスのジュラ地方から中欧諸国に至る地域一体で、当時好んで作られました。主として婚礼時の祝物にされたと言います。

型を用いたマウスブローによる器胎。元より職人手製の木型は、繰り返し使うなかで内側が熱で摩耗もします。造形には、型の状態を写した自然な丸みと線の柔らかさが見てとれます。ゆるゆるとして朗らかで、同時に決して拙さとは感じさせない流れるような筆致の花絵が、そこに自然と寄り添っています。

 


 

幅5.5 / 奥行5 / 高8.8cm

(ご売約済)

Related posts

テキストのコピーはできません。