Item / Pottery

Pichet éponge bleu de Normandie

 

19世紀、フランス西部ノルマンディー地方の水差し(ピシェ)。

細くなった首れが特徴的なカタチは、キュノワールで同形の作りをご覧になったことがある方も多いと思います。葡萄ではなく林檎の栽培が古くから盛んだった当地において、水代わりのような存在でもあった樽から継いできたシードルを食卓でグラスに供するために用いられました。

またスポンジを使って絵柄を描く技法も、数は多くはありませんが同様に当地でしばしば好まれたことは知られています。海を挟んで国境を接している所謂スポンジウェアの中心地でもあった英国から移住をしてきた陶工も多かったとされ、それが他のフランスの地域ではほとんど見かけない技法が根付いた一因なのだろうと思います。

キュノワールのような軟質テラコッタではなく、より硬質な目の詰まった胎土に施釉したファイアンス焼き。一層端正な佇まいで、色彩を主張しすぎない中庸な寸法も好ましいです。状態も良好です。

造形・施釉のどちらもからも地域固有の伝統と美質を感じていただける珍しい佳品。

シックでありながらハッと目を引き空間が華やぐ、そんなしつらえを作ってくれそうです。

 


 

約 幅13.5 / 奥行き15.5 / 高23cm

(ご売約済)

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