Item / Pottery

Bol à Thé en Faience

 

中国からヨーロッパにもたらされた、茶を注ぐことを想定した把手のない器形。西洋でありながら東洋とのあわいを感じられることが日本人である自分にとってはとても心地よく、常々好みの品を探しています。

紹介は18世紀、南フランス。ファイアンス焼きのティーボウルです。

この種の器の生産数はドイツやイギリスを中心とした磁器製がもっとも多く、次いでクリームウェア/ファイアンスフィーヌ系統の陶器や後年の半陶半磁器が存在します。ひるがえってファイアンス焼きのそれは極端に数がありません。デルフト焼きについては特殊事例となるため、ここでは言及しませんが、18世紀以後のファイアンス焼きの生産地は地方部に多いため、西洋の都市圏から離れた地域において必需品である皿類と比べても嗜好品としての傾向がより強い器の需要が少なかっただろうことは、想像に難くありません。だからこそ見つけたときの喜びはひとしおです。

やわらかな陶胎にとろりとした錫施釉ならではの大らかさ。マンガン釉単彩による気の利いた田舎絵もおだやかで心惹かれました。昼下がりの茶の時間もぐっと豊かになりそうです。

 


 

約 口縁径8 / 高4.5cm

備考:
本来は受け皿があったものですが、欠損していたため本体のみのご紹介となります。

販売価格(税別)
¥17,000
Stock:1点

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