Curiosité / Item

Rat de Cave

 

古き時代に暗がりを灯すために使われた鉄製の燭台、ラ・ド・カーヴです。直訳すると「地下室のねずみ」。尻尾に似た部位の形状が語源となっています。蝋燭の高さ調整を容易にするための回転式の押し上げ機構は、この時代の慣例に従ったものですが、特徴的な意匠である長く伸びた鉄部の突起はなんでしょうか?

これは主にはワインカーヴで、ワインを貯蔵する樽に引っ掛けて固定することを意図した設計です。上部のフックは樽の金属製の輪(フープ)に引っかけて支え、下部の2本の部分は樽の側面に接して支点となります(実際に試してみると驚くほど安定します)。必要に応じて暗いカーヴ内で樽から樽へと移動させながら使用した、かつてヴィニュロンの仕事に寄り添った生活道具です。

堅牢な作りに実用性。原始的ですが、非常に理にかなっていますよね。実際には宿屋の夜の食卓から田舎の家の寝室まで、さまざまなシーンで使われたことでしょう。想像は膨らみます。

褪せた濃灰の木肌を雰囲気がよく、作り込まれすぎていない簡素な造形にも心惹かれました。

フランス、18世紀〜19世紀初期頃。

 


 

幅28 / 奥行11.5 / 高17cm

販売価格(税別)
¥32,000
Stock:1点

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