Item / Pottery

Albarello di Grottaglie XIX Secolo

 

初夏のプロヴァンスで見つけた19世紀、南イタリアの小さなアルバレロです。

プーリア州グロッターリエ、或いはその近郊の作。近年この地域の陶器は一定人口に膾炙したように思いますが、今回見つけたそれは、何十年と埃をかぶり流行とは異なる時間軸で今日まで過ごしてきたもの。最近はめっきり見かけなくなった良質なウブ出し(個人宅や蔵などに長く眠っていた品が、初めて市場に出されること)の場に幸運にも骨董市で出くわし、譲ってもらうことができました。

西欧において伝統的に薬草を保存するために重用された器形は、ワインやオリーブ油、水の保存・運搬・醸造に適した大ぶりな日用容器が地域の主な作りであったなかでは珍しく、すらりとした立ち姿が端正で品を感じます。

淡褐色のとろりとした化粧土が自然な大らかさを添えた、錫釉陶器(ファイアンス)とは異なる白化粧鉛釉陶器のアルバレロで、都会的な造形と南伊の気配や温度の交差が何よりの魅力と感じます。

 


 

径10 / 高16.1cm

(ご売約済)

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