Item / Pottery

St Amand|6 Assiettes creuses épaisses

 

1920年代頃、サンタマン、ムーラン・デ・ルー製陶所のリム深皿です。

厚めの陶胎に白無地の実用的な佇まい。カフェやレストランといった場所を想定して作られた、当時の食堂皿です。厚皿としては比較的若い作りで、背面のリム縁には、わずかに内側へ巻き込むような厚みが設けられています。耐久性や重ね使いを踏まえた設計でしょう。古い陶器がもつ素朴さの奥に、現代的な合理性が垣間見えます。

横から眺めたときに皿の輪郭をやわらかく際立たせる胎の厚みは、盛り付ける料理も気持ちよく引き立てます。

それぞれに縁の小さなチップや使用感があり、完品ではありませんが、同じ時間を経てきた器が揃うことで、そうした跡も一枚ごとの欠点というより、まとまりの中にある好ましい表情として受け止められるように思います。

そのため今回は洋食器の基本となる6枚揃いでご紹介します。

日々の食卓で気負わず使える、頼もしい白の深皿です。

 

Céramique de Saint-Amand-les-Eaux (サンタマン=レゾーの陶器)

18世紀初頭より、北フランスのノール=パ・ド・カレー地域圏の北部(現在のフランスの最北部)では陶磁器の生産が続けられていました。様々な変遷を経てきたため、作陶の起源である地域の名を取り、総称してサンタマン=レゾー/サンタマン(旧称、略称)の陶器と呼ばれています。

主要な窯のあった場所は、古くはオルシ、サンタマン、ヴァランシエンヌ、そして19世紀末の企業化後にできたヴァンディニー=アマージュです。

現在のアンティーク市場で主に見つかるのは、リュネヴィル・サンクレモンの影響を受け、窯を企業化したうえで陶磁器の量産をするようになった1880年以降の作。1923年以降、サンタマン、オルシ、アマージュ系の製造所は再編・統合され、サンタマン・オルシ・アマージュ陶磁器(Faïences et Porcelaines de Saint-Amand-Orchies-Hamage)、のちムーランデルー製陶所(Manufacture du Moulin des Loups-Hamage)などの名称で活動した。「Saint-Amand et Hamage」「Moulin des Loups et Hamage」「Orchies Moulin des Loups Hamage」といった刻印は、この サンタマン系の工業的製陶グループの製品を示すものです。

1923年以降の企業名:
Faïences et Porcelaines de Saint-Amand-Orchies-Hamage & Manufacture du Moulin des Loups-Hamage
サンタマン・オルシ・アマージュ陶磁器 & ムーランデルー・アマージュ製陶所

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Terre de fer (テールドフェール)

技術的・技法的というよりは、商用的な言葉としての側面のほうが強いため語義は多岐にわたり、厳密な定義付けをすることは難しいですが、1800年代初期までの繊細なファイアンスフィーヌ陶器の少量生産を経て、1800年代半ば以降に台頭する市民社会に向けて量産されるようになった、より実用的で磁器質の強い陶器(半陶半磁器)のことを指してフランス語では「テールドフェール」と呼びます。

それ以前の陶器に比べると、主原料である粘土に磁器生産に使われるカオリンや長石がより多く加えられ、釉薬はホウ砂が主原料となっています。

生産者の手跡が残る不均一な施釉や石膏型の寸法差異、或いは経年による貫入。そうした古い陶器ならではの不安定さと、ある程度量産化が整備された時代の陶器ならではの実直さの双方が同居した、過渡期的な均衡は、今の暮らしに溶け込んだときに、無理のない心地よさを生んでくれるように思います。

クレイユエモントロー、ショワジールロワ、ジアン、サルグミンヌ等々。当時のフランスにおける陶器製造の中心にいた様々な陶磁器窯で、多様なテールドフェール陶器が作られました。

 

 


 

年代|1920年代頃
生産|フランス
窯 |サンタマン、ムーランデルー製陶所
寸法|径23 高3.5cm

備考|6枚セット

販売価格(税別)
¥27,000
Stock:1点

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