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Montereau|Assiette Octogonale

 

フランス、モントロー製陶所のオクトゴナル皿。

精製された白い陶土を石膏型で成形し、透明釉を施した、テール・ド・ピップとも呼ばれるファイアンス・フィーヌです。当時を象徴する器形のひとつである八角形。リムには、定型である小さなパールの浮き彫り配されています。西洋らしい意匠のコントラストが印象的です。

モントローは19世紀初期のパリ広域圏、ひいてはフランスを代表する製陶所。近隣のクレイユ製陶所とも結びつきながら、フランスの古典的な美意識と型成形・反復生産へと向かう近代工業的な感覚を繋ぎあわせ、同国の製陶発展において重要な役割を果たしました。

単品としての魅力もそうですが、数が並ぶと見えてくるのは、型成形による造形の反復と、そこに残るわずかな揺らぎ。手仕事であり工業でもあります。過度な装飾的性のない節度を備えた器形からは、革命後のフランス社会に広がっていく、控えめなノーブル、穏当なブルジョワ的審美意識が感じられます。

全ての皿に刻印付き。

 

Montereau (モントロー)

パリ南東の郊外外れ、セーヌ川とヨンヌ川の合流点に位置する歴史ある街、モントロー=フォール=ヨンヌにかつて存在した陶器窯。

1720〜40年頃まで村に存在した小さな工場で、1745年頃より英国風陶器製陶を開始し、1749年に大規模な窯を設置したのが歴史の始まりです。

最初期に製陶していた英国風陶器はフランス国王により生産を禁止され、作品も全て国王に献上するという憂き目にあいますが、技術開発を続けたモントローは、フランス独自の美しい陶器「ファイアンスフィーヌ」を、1830年代頃まで製陶し続けました。

1774年以降、イギリス人の経営者による発展が顕著で、特に1796年〜1805年の間、当時のフランス陶磁器界における名経営者、イギリス人クリストフ・ポッター(Christophe Potter)の時代に、プロト工業化(機会工業化に先立つかたちで進行した、手工業生産の拡大)を行うことで、大きく進歩しました。ポッター後は、同英国人のホール夫妻により経営が続けられました。1774〜1819年頃のあいだが単独のモントロー窯としては最盛期と呼べると思います。

その後、1819年にモントローの窯は、クレイユ窯の所有者でもあったサン・クリーク・カゾーに譲渡され、クレイユエモントローとなり、その歴史を続けていくことになります。

地図(Click!)

 

Faience Fine (ファイアンス フィーヌ)

ファイアンスとは、有色の土の上に白い不透明な錫釉をかけ完成させた陶器のことです。

1700年代のフランスで中上流階級の人々が用いた食器には主として『ファイアンス陶器』と、限られた貴族のみが所有することができた高級な『磁器』『純銀器』がありました。

そんなフランスに、1700年代半ば、当時ウェッジウッドを筆頭に陶器製造の最先端国だった英国の『クリームウェア(クイーンズウェア)』が流入し、貴族、そして当時台頭してきていた市民階級(ブルジョワジー)たちの羨望の的となります。

ですが王室によりその製造技法は特定の窯のみの特権とされ、また国内で採取できる陶土の違いもあり、英国式陶器をフランス各地で作ることは困難でした。経営者や陶工たちはそうした環境下、1789年以降のフランス革命という激動も乗り越え、伝統的なファイアンスと英国クリームウェアの狭間での技術開発を続け、人々の心を満たす、フランスならではのきめ細やかで品のある繊細優美な陶器を生み出しました。それが『ファイアンスフィーヌ』と呼ばれる陶器です。

フィーヌには「上質」の意味があります。技法としては白、あるいは象牙色を素地にして、ごく薄い透明釉を施し低温焼成した陶器であり、出自がそれまでのファイアンス陶器からの流れ汲んでいるため、ファイアンスフィーヌの名で呼ばれますが、2つは別種と捉えるのが適切でしょう。

1700年代半ばに隆盛を極めた貴族向けの英国式陶器が、今では初期のファイアンスフィーヌと呼ばれます。パリのポントシューやロレーヌ地方のリュヴィル(当時はロレーヌ公国領)といった王侯貴族の保護下で発展した名窯があります。

1800年代前後頃、市民社会到来以後は、王侯貴族の保護下にあった窯は廃れました。入れ違いで独自の進化・発展を遂げたのが、フランス式のファイアンスフィーヌです。ナポレオンの大陸封鎖による英国製陶器の輸入制限という外的な後押しも受け、ブルジョワ的な価格や意匠性での顧客アプローチに成功した、新興の窯々が存在感を示します。クレイユやモントロー、ショワジールロワといったパリ広域圏の窯を軸に、フランス各地で、ファイアンスフィーヌが作陶されました。

とは言え時流の変化は世の常。1830年代以降、止まることのない近代化の波のなか、さらなる量産に向いた半陶半磁器(テールドフェール)の台頭があり、その作陶は急速に衰退します。

革命前と後で時代を区切るなら、それぞれが数十年という僅かな期間の作陶でした。

ファイアンスフィーヌ、それは当時のフランス人が苦心の末に生み出した、儚さと当代固有のブルジョワ的穏当な実直さを纏った古陶器です。

 

 


 

年代|1806〜34年頃
生産|フランス
窯 |クレイユ
寸法|幅23.3 / 25 / 高2.5cm(多少の個体差あり)

個体希望がある場合、注文時に備考欄へアルファベットを書き添えください。

販売価格(税別)
¥17,000
Stock:6点

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