Item Note

人の作為、自然の無作為

 

ダッチマジョリカ、大鉢陶片。

秩序や清潔といった17世紀、ネーデルラントの近代都市的な指向を、白という錫釉のみの構成だからこそ、より意識させられ、そこに刻まれた細かな擦過痕や汚れ、欠けは、時間の詩情を誘います。

また器面全体に錫施釉を施す後年のデルフト焼きとは異なる、本来見えない部分である皿背面の化粧掛けはラフで、素焼きの肌も残ります(Click!)。裏側の美観にこそ惹かれたようなところもありました。整えられ始めた社会の裏側にある粗さ、汚れ、労働といった身体性の領域をそこに想うのは、やや飛躍が過ぎると理解していますが、そうした想像を巡らせられるからこそ、古物に古物として惹かれ続けています。

人の作為と自然の無作為と。

 


 

年代|1600-1650年頃
生産|オランダ

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