Item Note

17世紀、子供のための革靴

 

オランダ、アムステルダム近郊で発掘された17世紀、子ども用の革靴。

当時のオランダの都市生活。子どもの身体。
小さな革靴の部分に微かに残る人々の気配に耳をすませます。

発掘時には潰れた状態で見つかっており、形を整え、一部を縫い直しています。完全な姿ではなくとも、小さな足を包んでいた革靴のかたちは、優しく伝わってきます。

中世から近世にかけてのヨーロッパの都市部では、革靴は日常的に幅広く用いられました。オランダに数多くの出土例があることは、資料からも確認できます。

本来、土中で分解されやすい素材のはずで、以前から不思議に思っていたのですが、低湿地や運河周辺のように水分を含み酸素の少ない環境では、皮が形を留めやすかったということを知り頷きました。オランダの都市環境が、有機物の保存と結びついていたことは興味深いです。

子ども用の靴が少なからず見つかるのは、成長によって短期間で履けなくなり、やがて廃棄されることも多かったからでしょうか。確たることは言えませんが、過去における時間の、人生の流れを想像します。身体に直接触れる服飾品からは、器や道具とはまた違うかたちで、暮らしの実在を感じることができるような気がします。

 


 

年代|17世紀
地域|アムステルダム近郊
寸法|17.5cm

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