Furniture Note

Six Plank Coffer

 

 

現代の室内空間に添えたときに自然と馴染む端正で静かな佇まいに心惹かれます。

18世紀頃、英国のシックスプランクコファー。

指に吸いつくようなとろりとした良質な古いオークの肌合いと深い色目。6枚の厚い木板(プランク)を組み合わせて作られた素朴な構造に、切り分かれて開いた脚部で支えられた立ち姿はすっとしていて、奥行きも浅く軽やかな印象を受けます。直線とひし形で構成された幾何学的な飾り彫りによる縁取りは繊細で品があり、留め金具が欠損していることも、今回に於いてはむしろ無理がなく好ましく感じたところです。

ほんのささやかな飾り棚のようにして、実生活においては風通しよいインテリアとして場に溶け込み調和しながら、日に幾度かは、ふとしたときに目を奪われて眺め愛でてしまう——当たり前の日常の時間がほんの少しだけ穏やかに、所作がゆっくりとしたものになるような古物の、古家具の効能。殆どそれだけをいつだって想っています。

 


 

年代|18世紀頃
生産|英国
寸法|W1215 D360 H610mm

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