Furniture Note

Tabouret du Nord de la France

 

 

17世紀、ルイ13世、及びルイ14世治世期の北フランス、フランドルの教会様式による腰高のタブレ(スツール)です。

この時代の教会様式家具としては、踏み台が付設し座った状態でも立ったように見える設計となったカントル(教会音楽監督)のためのタブレがより象徴的に知られていますが、そこに見られる意匠性を踏襲しつつ、より素朴でシンプルな作。同じく教会に置かれ、助手が司祭の説教の際に座ったのかもしれませんし、或いは家庭で女性が縫い物のような軽仕事をする際に用いた可能性も高いと思います。

製作地方はノルマンディー近郊、製作年代は17世紀〜18世紀。座面のみ一度取り替えられていると思われますが、それも古い時代の丁寧な直しで色調、雰囲気共に整っています。

直線で構成した素朴な佇まいに、経年の肌艶、意匠細部の家具職人の伝統に則した感性が混じり合う具合はとても自然で、今の時代とも絶妙に相性が良いように思います。

全体の材はオーク、脚の婉曲にカットした部分はパイン。

 


 

年代|18世紀
生産|フランス
地域|北部
寸法|W345 D260 H530mm

テキストのコピーはできません。