年代|18世紀
生産|イングランド
素材|ラテン/錫引き
寸法|11.2cm
18世紀頃、英国製。
柄の先端は、17世紀後半の英国で親しまれた三つ葉状にひらいたトライフィドの意匠です。中央には小さな環。携行を想定しただろうことが判ります。定かではありませんが、鍵や時計、裁縫道具を吊り下げるシャトレーンの一部、あるいは小さなケース、エチュイに収められた小道具のひとつだったのかもしれません。
錫引きのラテン(真鍮系の銅合金)材。銀やピューターではない、時代的に英国では縮小傾向にあった技法を用いた作りです。経年で燻んだ濃灰の錫の肌合いと薄手の胎、控えめにのぞく素地の金のきらめき。手のひらの上に、愛らしさと心地よい見どころがぎゅっと詰まっています。
