左:
年代|16-17世紀
生産|ネーデルラント
素材|ラテン/錫引き
寸法|15.7cm
右:
年代|16-17世紀
生産|ネーデルラント
素材|ピューター
寸法|16.3cm
発掘例は多く比較的知られたものですが、材が異なり、比較が愉しい二本です。
近世の訪れを感じる端正な佇まいの日常道具で、いずれも市井の中間層の暮らしで広く用いられた作りです。
右部、ピューター製のスプーンは、馴染みがある方もいらっしゃると思います。当時の材の扱われ方を踏まえると、個人に留まらず、宿屋やギルドの食堂のような多数使用の場所で広範に親しまれたのかもしれません。フルール・ド・リスの工房印も瀟洒です。
左部、ラテン(真鍮系の銅合金)製のスプーンは地の金色が覗く肌のニュアンスに惹かれます。実際には錫引きされ灰み掛かっていました。誰かのマイスプーンだったのでしょうか。
Click! ※ピーテル・アールツェン『施しを与える聖家族のいる肉の屋台』1551年 細部
