クリプト・パリ「セーヌの河中から」
流れ着いたものや、打ち捨てられたもの、発掘されたさまざまから歴史の在りようや変化を探り出す、セーヌ川とそこに関わった人々との相互作用に焦点があてられた「Dans la Seine」を観に、シテ島の地下遺跡跡、クリプト・パリへ。 規模は比較的ちいさなものでしたが「そこに確かに誰かがいた」という痕跡の濃さがあり、西洋が歩んできた時間軸を縦に横にと一層深く緻密に捉えられるよう精進していこうと感じられたところです。 人類が最初に定住した頃から、まだこの場所がパリではなくルテティアと呼ばれていた時期を経て、中世、近世のパリ。及び近郊や源流のブルゴーニュ地方まで。静かでひんやりとした地下遺跡は、地上の喧騒とのコントラストもあって、パリ以前という時代をしめやかに伝えていました。
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クストディア財団「ヤコブス・ブレル」展
パリ7区、クストディア財団による、17世紀、黄金時代のオランダ人画家ヤコブス フレル(1654~1662 年頃に活動)に焦点をあてた絵画展へ。個人的にはここ最近で1番に心身に沁みた展示で、最終日前日から2日間、駆け込みで立て続けに訪れてしまいました。 約45点程という判明している現存作品より22点。1人の画家の静かでやさしい眼差し。何より室内構成は精妙でした。数部屋に仕切られた天高のちいさな展示室には、各々が均衡を保ちながら自然なリズムで飾られており、パリの喧騒を感じない節度ある観覧客のさざ波に揺られて、緻密な展示順や間合いのおかげもあり、それぞれの作品と心地よく向き合えました。
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