フランスを主としたヨーロッパの古物を紹介しています。
価値観も理念も異なる国や時代に触れる。
長い時を経てきた古物は昔を知る頼りになり
そうして知った昔が、今をほんのすこし豊かなものにしてくれる。
奥深い文化への興味と、日々日常の暮らしを行来しながら
しなやかに気持ちよく古物と付きあっていけたらと思います。
デルフト写し、ニュルンベルクの白釉器
ドイツのニュルンベルクより。ピューター製の蓋を伴った、デルフト焼に由来する小型の白釉水差しです。 中世末期以来、職人と工芸の都市として知られ、近世にはイタリアと北方ヨーロッパを結ぶ南北交易の要衝として栄えた古都ニュルンベルク。この都市に開窯したファイアンス工房は、オランダから伝わった錫釉陶器の技術語彙を引き継ぎ、地場の金工芸/ピューター職人の技術と結びついて、地域周辺の都市生活者がもつ磁器的な白への羨望・需要を、18世紀を通してファイアンスの側から支えました。
更に詳しく読む
18世紀、デルフト焼の中鉢
18世紀、デルフト焼の中鉢。 草花の周りに星空のように散る小花と、飛び交うような鳥は、鳳凰や瑞鳥でしょうか。東アジア由来の花鳥文の西欧的な解釈です。絵具の溜まりや輪郭のにじみは、錫釉の上に描かれたコバルトならではの景色で、環境が生んだおおらかさもそのまま器肌に残っています。朗らかで、どこか戯画的な印象にぐっと心を掴まれました。
更に詳しく読む
ヨーロッパの古いカトラリー
中世後期から近世初期に至る、ヨーロッパのカトラリーのささやかな記録
更に詳しく読む
強さとやさしい弱さ
人の造形意識の強さを想い、その美観に惹かれながら、自然な剥落も時間が彫ったもう一つの彫刻として眺めます。近世初期フランスの木彫。 頭上と底部には穴が空いており、もともとは木彫装飾や家具、あるいは祭壇装飾の一部を構成していたものだと判ります。
更に詳しく読む
親密な古代ローマの断片
古代ローマのテラコッタ断片。 実は初見では馬だと思いましたが、奉納用の雄牛像である可能性が高いようです。 材と造形の美しさは何よりですし、惹かれたのは古作の素朴な台座が残っていたことにもあります。教師や学識ある聖職者、あるいは純粋な好事家が古代の遺物を愛でること自体は、近世初期頃からはすでにあったとされます。台座はそうした文脈のなかで、おそらく19世紀末〜20世紀初期頃に仕立てられたものです。
更に詳しく読む
古作の小さなオクトゴナル皿
両掌に収まる、とてもちいさなオクトゴナル皿。推定1830〜50年頃、フランス。 やや施釉の甘いファイアンスフィーヌ質の軟陶に、クラシックな菱形エンボスのリム縁。作陶は精緻ではありませんが、ノーブルな輪郭を心地よく覆う地方的な素朴さに、寧ろ親近感を覚えます。小さい径はもとより、上がりも見たことがないものです。名の知られていないような民窯で僅かに作られたものだと思います。
更に詳しく読む
17世紀、ガラス残欠の吸引力
森林ガラスの残欠です。木灰を用いた緑がかったガラスには、特徴的な突起装飾。いずれも17世紀中葉までの作と見てよいでしょう。フェルメールが生きた時代と重なります。 右側の大きな残欠は、初期の古典的なレーマー杯のステム部です。筒型で背が高く、ブラックベリー状の突起が配されています。17世紀以降にグラスが大型化していく背景には、乾杯の場で回し飲みされ得たことなど、酒席の作法や生活様式の変化が関わっていたとされますが、残っている部分だけでもサイズ感がよく、当時の見せる器としての存在感が伝わってきます。
更に詳しく読む
不均衡のなかの均衡
18世紀、フランス中〜北部のファイアンス焼。 香水瓶、薬種瓶、あるいは蒸留酒瓶だった可能性も考えられますが、用途が即座に定まらないくらいには、ヨーロッパではつくりそのものが珍しい器です。丸胴では得られない、リズムと視覚効果を狙ったかのような面取りの造形は、東インド会社を通じてもたらされた中国磁器を見本に、オランダで翻案・作陶が為されてヨーロッパに定着しました。とはいえ当時オランダにおいてすら稀であった器種が、フランスの諸窯にも伝わっていたことは興味深いです。
更に詳しく読む
More Notes
Online Shop
15th Century Schale
中世ヨーロッパ、1400〜1500年頃のライン炻器。貴族や聖職者といった当時の上流階級の家庭でワインを嗜むのに用いたとされる浅鉢型のシャーレ。
更に詳しく読む (ご注文可能)
16th Century Iron Knife
丈夫で持ち主を選ばないような作りと、僅かな見せる意識。中世から近世への移り変わりの気配を、掌のうえで伝えてくれます。16世紀頃、北西ヨーロッパで作られた鍛鉄製ナイフ。
更に詳しく読む (ご注文可能)
17th Century Knife
都市の人々が共有したであろう節度を感じさせる、必要最小限を少しだけ超えた装飾性に心惹かれました。17世紀初期の個人携行用ナイフです。
更に詳しく読む (ご注文可能)
Digoin Sarreguemines Petit Plat Ovale 22.5cm
1920年代頃、ディゴワン・サルグミンヌ。ラヴィエ(前菜皿)とも呼ばれる、もっとも小さな部類に属するサイズ感の小さなオーバル皿。
更に詳しく読む (ご注文可能)
Digoin Sarreguemines Petit Plat Ovale 24.3cm
決して珍しい作りではありませんが、このくらい小ぶりなオーバル皿にまとめて出会える機会は、実はなかなかありません。ディゴワン・サルグミンヌの小さなオーバル皿。
更に詳しく読む (ご注文可能)
Saint-Louis Verre à Pied vers 1950-60
飾り気のない控えめな佇まい。とにかくシンプルで、「普通」であることに惹かれたサンルイのワイングラスです。1960年代〜70年代初期頃。
更に詳しく読む (ご注文可能)
More Items