フランスを主としたヨーロッパの古物を紹介しています。
価値観も理念も異なる国や時代に触れる。
長い時を経てきた古物は昔を知る頼りになり
そうして知った昔が、今をほんのすこし豊かなものにしてくれる。
奥深い文化への興味と、日々日常の暮らしを行来しながら
しなやかに気持ちよく古物と付きあっていけたらと思います。
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Moustiers/Varages Plat Ovale 27.8cm
緊張というよりは大らかさを感じるまろやかで瀞みある釉調と、ほんのごくわずか朱みを帯びた薄灰の施釉。19世紀初期、ムスティエ/ヴァラージュの小ぶりなオーバル皿です。
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Verre Soufflé à Pied 9.7cm
当時はパート・ド・フリュイやトリュフを盛り付けたのでしょう。愛らしいデセールから冷製アントレまで、絵になる器です。19世紀、フランス。ちいさな脚付きの吹きガラス鉢。
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Verre Soufflé à Pied 8.2cm
フランスらしいクラシックで瀟洒な佇まいは、透明な器胎だからこそ全体は華美に寄らず素朴さを湛えています。19世紀、フランス。ちいさな脚付きの吹きガラス鉢。
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Ancien jeu de Cheval en bois
かつての農村の日常景色が、子どもの玩具のモチーフ1つからも感じとれるでしょうか。パリのセーヌ左岸、年に一度だけ近隣に住む人々によって催される瀟洒な蚤の市で見つけた木馬と馬車です。
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Petit Pot à Confiture de Belgique
ジャムやタプナードに黒オリーブ。食卓にちょこんと添えたら素敵だと思います。19世紀、ベルギー製の小さなコンフィチュールグラス。
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Gobelet en Verre Torsadé
熱したガラス玉に型で筋を入れ吹きあげたツイスト装飾。すっと縦に伸びた小ぶりで高さのあるモールガラスコップです。1900年代前期、フランスより。
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英国産とフランスらしさ
1810年代前後頃の単独クレイユ、あるいはモントロー窯。フランスでは植物採集装飾とも呼ばれる、樹枝がひろがったような有機的な草木風模様のちいさなコーヒーカップです。 特徴的な絵付けは17世紀末の英国で生まれました。色のついた酸性の絵付け用溶液が、焼成前の陶器本体を覆うアルカリ性の湿った釉薬に滴下することで一気に広がり、樹枝状のランダムな模様に変化します。絵付け用溶液は素地の釉薬(あるいは化粧土)に滲まないよう精緻に配合して作るのが本来ですが、その性質を逆に利用した技法です。
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羽をやすめたコロンブ
18世紀頃、フランスのカトリック教会より、コロンブの彫像です。 福音書において、鳩の姿をした聖霊が降りてくることは、神の存在とイエスの宣教の始まりを意味します。カトリックの伝統における三位一体ですね。「白い鳩(聖霊)」は、フランス語では一般的なピジョンと区別してコロンブと呼ばれ、純真と平和の象徴ともされ、一層重要な意味合いを歴史的にもってきました。
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カフェオレボウルのこと
さて、カフェオレボウルについて。 その歴史はじつは比較的浅く、食器として普及したのはせいぜい19世紀後期〜20世紀初期頃のことです。 19世紀半ばまでの農家において牛乳の利用は、保存の観点からバターやチーズの加工品が主でした。生産即消費の場合を除けば、直飲みすることは決して安全とはされていなかったなかで、かのパストゥールの低温殺菌法の発見や精製技術の向上にともない、その問題が解決したことで、ようやく牛乳を日常的に飲むことが一般化したそうです。
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中世末期、ブルターニュ女公の紋章
その特徴的な紋章は、ブルターニュ公国の女公であり、後にフランス王国の王妃ともなったアンヌ・ド・ブルターニュ(1477 - 1514年)をしるすものです。
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17〜18世紀、マヨリカ陶器
北イタリア、17〜18世紀のマヨリカ陶器より。 西洋における錫釉陶器製造の祖として知られるイタリアのルネサンス期以来の調和と均整がとれた造形。それに相反するような、時代が下るなかで窯業が世俗化したことに起因するだろう、おおらかで牧歌的な施釉と絵付け。この時期の北イタリア陶器の緊張と緩和の自然なバランス感覚には、心惹かれるところです。
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神経質な錫釉藍絵皿
皿全体を花弁として図案的に捉えつつ、隙間を埋めるかのように細やかに添えられた草花模様。 中国の芙蓉手を発展させただろう、とても緻密な構成の良い絵ですが、筆致はお世辞にも上手いとは言えないものです。職人的反復が生んだ技術力でさらりと描きあげたというよりは、完成図を想定しながら地味に地道に積み上げていったというような趣きがあります。
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近世西洋、青の陶器
白の錫釉陶器と存在を対にするようにして、ヨーロッパ大陸の一部地域や窯において青の陶器が作られました。 16世紀、イタリア半島のマヨリカ焼きに端を発し、ペルシアから輸入された酸化コバルトを主たる顔料にして、同地域のラピスラズリを思わせる濃青色の陶器、或いはシリアやエジプトの中東ガラスを憧憬しながら、各国・地域で独自に発展と変容をしたとされます。東洋の影響が色濃い白錫釉の器々とは異なるニュアンスを纏った古陶です。
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中世後期、高品位なワインの嗜み
中世後期、1350〜1500年頃のライン炻器より、貴族や聖職者といった当時の上流階級の家庭でワインを嗜むのに用いたとされる、とても珍しい小さな平型の深鉢です。 ドイツ西部、ライン地方窯業の中心地であった街ジークブルクで作られただろうもので、納品地のオランダにて発掘されました。かのピーテル・ブリューゲルが農民たちの傍らに大量に描いたライン炻器群を見ても判るとおり、近代に至るまで、ヨーロッパにおいて民衆用の酒器は大ぶりな作りであることが常でした。まさに彼が題材としたように、日夜踊りながら、呑み愉しんでいたことでしょう。
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