Item / Pottery

Digoin Sarreguemines Assiette

 

1900年前後のフランスで作られた半陶半磁(テールドフェール)のシンプルな器。これまで繰り返し仕入れ、扱い続けてきました。一度きりの出会いにしかない良さがある一方で、見慣れていても手にとりたくなる、暮らしに寄り添う道具の良さがあります。

無機質な均一でも、手仕事の個性だけでもないちょうどよさは、近代マニュファクチュアが実現した独特の均衡点なのだと思います。現代の視点から眺めたとき気が利いていると思わせる細部の妙は、なんてことないですが魅力的です。白の表情は柔和で温かく、西欧らしい輪郭の端正さも備えています。釉のほのかな揺らぎが生むやさしい温度感ときっちりしすぎない整然さは、日常に自然と溶け込みます。

ディゴワン・サルグミンヌのシンプルなリム皿。

定番品ですが、吟味していると最近はなかなか数が揃いません。久しぶりに纏まったかたちでの紹介です。同じ時代、窯、寸法の作り。数をお探しだった方にもおすすめです。

 

Digoin Sarreguemines (ディゴワン サルグミンヌ)

1790年、フランスとドイツの国境の町サルグミンヌに開かれた窯は、1870年代に、当地がフランス領からドイツ領となり陶器に莫大な輸出税が掛かるようになったことを受けて、元々陶器文化が栄えていたブルゴーニュ地方にある町ディゴワンに新しい窯を構えました。

経営においては幾度かの変遷を経ながら、両窯共に、20世紀を通して稼働し続けました。サルグミンヌ単独経営の時代の作陶品としては、貴族や有産階級を主な顧客とした繊細なファイアンスフィーヌが知られます。ディゴワンとの二拠点体制となった19世紀末頃からは、少しづつ大衆化していき、機能的で実直な陶磁器を作陶しました。

地図(Click!

 

Terre de fer (テールドフェール)

技術的・技法的というよりは、商用的な言葉としての側面のほうが強いため語義は多岐にわたり、厳密な定義付けをすることは難しいですが、1800年代初期までの繊細なファイアンスフィーヌ陶器の少量生産を経て、1800年代半ば以降に台頭する市民社会に向けて量産されるようになった、より実用的で磁器質の強い陶器(半陶半磁器)のことを指してフランス語では「テールドフェール」と呼びます。

それ以前の陶器に比べると、主原料である粘土に磁器生産に使われるカオリンや長石がより多く加えられ、釉薬はホウ砂が主原料となっています。

生産者の手跡が残る不均一な施釉や石膏型の寸法差異、或いは経年による貫入。そうした古い陶器ならではの不安定さと、ある程度量産化が整備された時代の陶器ならではの実直さの双方が同居した、過渡期的な均衡は、今の暮らしに溶け込んだときに、無理のない心地よさを生んでくれるように思います。

クレイユエモントロー、ショワジールロワ、ジアン、サルグミンヌ等々。当時のフランスにおける陶器製造の中心にいた様々な陶磁器窯で、多様なテールドフェール陶器が作られました。

 


 

年代|1920年頃
生産|フランス
窯 |ディゴワン・サルグミンヌ ディゴワン製陶所
寸法|径22.5cm

備考|
使用感は見られず、個体差も僅かなため、同一の品として紹介しております。
個体はお選びいただけませんことをご了承ください。

(ご売約済)

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