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Glassware / Items

Verre à Eau en Cristal vers 1900

 

昔から好きな造形の脚付水用グラスです。

良質なクリスタルによる初期のプロダクト、このスタイルとしては最古手となる1900年台初頭の造りが、数年ぶりに仕入れられました。あるときはありますが、ないときにはなく、久しぶり見つけられて嬉しかった佳品です。

かのバカラでは「パリの伯爵夫人」というモデル名を翳して、後年に製造されたことでも知られます。サンルイにも同様の造りがあり、また同時代にはより小規模な幾つかのガラス工房が存在したため、シンプルなカタチゆえ、出自を詳らかにまではできませんが、いずれにしても手にした時の重たさや、光の透明度、屈折率からして、同時代における最も高品位のクリスタルガラスです。

指で弾いたときの澄んだ打音と余韻は、純度が高いクリスタルガラス器固有の美質だと思います。

研ぎ澄まされたモデリングによる機械工業的な緊張感と、職人の手を介したやわらかで潤いのあるマチエールが共存した、この時代の作りでしか触れることのできないニュアンス。一見して冷たい印象もあるからこそ、手にとり触れたときに気付く表情の温かさには、一層感じ入ってしまいます。

ステムの指馴染みもしっとりとしていて自然です。やはり程よい重たさが良いんですね。

たっぷりの容量を注げる水用グラスは、汎用性の高さが何より魅力。静かでアノニマスで佇まいは、日々の食卓でしつらえの和洋を問わず活躍してくれることと思います。

 

Crystal Glass (クリスタルガラス)

清らかな透明感、美しい輝き、高音の澄んだ音色。まるで天然の水晶のようなであることから、その呼び名で呼ばれるクリスタルガラスは、特に西洋では、装飾芸術としてガラスの価値を高めた存在です。

通常のソーダガラスより硬質で、溶解温度も低く抑えられるという特徴から、繊細なカットやグラヴィールをすることができますが、その成形には高度な知識や技術が必要です。

例えば歴史ある工房では、火を用いてクリスタルを吹く作業「ホットワーク」と、製品を研磨しカットや装飾を施す「コールドワーク」の、それぞれの工程に専門の職人がおり、フランスが世界に誇る著名なクリスタル工房バカラやサンルイは、同国の最優秀職人 M.O.F. (MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE ) を多数輩出しています。

高品質なクリスタルガラス成型は、まさに伝統と技術の結晶です。

 


 

約 リム径7.3 / ステム径7 / 丈14.7 センチ

(ご売約済)

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