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VI Concerts à 4 flutes et basse continue

 

<Information>

演奏:
フラウタンド・ケルン (アルトリコーダー 4本)
+ チェンバロ、オルガン、ファゴット、チェロ、ヴィオローネ、テオルボによる通奏低音

 


 

晴れやかな休日のお昼どきに料理しながら聴きたくなるような、落ち着いた爽やさのある音楽。

18世紀初頭に北ヨーロッパで作曲された、4本のアルトリコーダーに、通奏低音(バロック音楽の伴奏形態)を伴った協奏曲集です。

日本人にとって学校教育を通じて馴染みの深い楽器リコーダーの、穏やかで風通しの良さが感じられる響き。ソプラノやバスを伴わず、アルトリコーダーのみ4本で奏でられる旋律は、同音域だからこその音色の混じり合いがあり聴き触り優しく、そこに通奏低音がそっと寄り添います。

作曲家や時代背景についての日本語解説付きです。

 


 

ヨハン・クリスティアン・シックハルトと当時の音楽背景

このアルバムで取り上げられている作曲家、ヨハン・クリスティアン・シックハルトは、オランダ、ドイツからスウェーデン、ノルウェーまで、北ヨーロッパ各地で活躍したバロック時代の音楽家です。

素性について不明な部分も多い人物ですが、為政者からの請け負いで作曲を行いながら宮廷音楽家になる道を模索し、他方で楽器演奏の教師や、腕前達者な演奏家としても活動をしていました。

同時代の作曲家としては、バッハやヴィヴァルディの名が知られていますが、彼らが主にプロ演奏家との仕事をしていたのに対して、シックハルトの主要な顧客は、貴族や裕福な市民階級のアマチュア演奏家だったようです。

そうした経緯もあってでしょうか。

現在世間で広く知られているバロック時代の著名な音楽は、普段そのジャンルを聴かない人にとっては少し聴き難いこともあるように思っていますが、シックハルトのそれは、複雑さを抑えたすっきりとシンプルな造形の音楽で、優しい旋律とリコーダーの素朴な音色も相まり、自然と耳に馴染むものになっています。

もちろん彼の音楽は当時のヨーロッパでは、評価あるものでした。

「…リコーダーはかつて、自らを紳士として印象づけたい人物が必ずポケットに入れておくものだった、と。目的はひとつ、それでご婦人がたを喜ばせるのである。(中略) ハンブルクのシックハルトや、ローマのロバート・ヴァレンタインなどが書いた独奏曲をひとわたり披露できる腕前があれば、この楽器の完璧な達人として尊敬されたものだった…」

当時の英国の著名な音楽学者の書き残した言葉です。上記のような記述からも、リコーダーの文化的な役割やシックハルトの存在の重要さが感じられます。

歴史の中心で語られる芸術の極致としての音楽というのは当然素晴らしいものですが、個人的にはもう少し庶民的でも、その時代ならではの空気感を含んだ音楽というのはごく魅力的だなと思います。

ぜひ18世紀ヨーロッパの市民文化を彩った暮らしの響きに耳を傾けてみてください。

参考: Karsten Erik Ose, 白沢達夫 訳 “VI Concerts à 4 flutes et basse continue” ARS MUSICI, 2009

 

フラウタンド ケルン (Flautando Köln)

1990年、ドイツ国内でも早くから古楽器文化の盛んだった都市ケルンで結成された、女性4人組によるリコーダー・コンソート (合奏団)。バロックや古典作品から、現代音楽やジャズまで幅広く独創的な演奏活動でドイツ国内外で活躍中。

 

ヨハン・クリスティアン・シックハルト(1682年頃 – 1762年, ドイツ)

協奏曲 第1番 ハ長調
01. アレグロ
02. アダージョ
03. ヴィヴァーチェ

04. アレグロ

協奏曲 第2番 ヘ長調
05. アレグロ
06. ヴィヴァーチェ
07. ラルゴ
08. アレグロ

09. メヌエット

協奏曲 第2番 ニ短調
10. アレグロ
11. アダージョ
12. ヴィヴァーチェ

13. アレグロ

協奏曲 第5番 ホ短調
14. アレグロ
15. ラルゴ
16. アレグロ
17. プレスト

協奏曲 第3番 ト長調
18. アレグロ
19. ラルゴ

20. ジガ(ジグ)
21. プレスト

協奏曲 第6番 ハ短調
22. ヴィヴァーチェ
23. アダージョ
24. ロンド
25. アレグロ
26. アレグロ
27. メヌエット

(ご売約済)

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