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演奏: ブノワ・ローラン (バロック・オーボエ) ベルナール・ヴォルテーシュ (バロック・チェロ) ジュリアン・ヴォルフス (チェンバロ)
王侯貴族に愛されたバロックオーボエの、典雅で優しい音色
18世紀、後期バロックの時代のドイツで、バロックオーボエを主役にして作曲された作品が7つ収められた1枚。
当時の貴族の暮らしが垣間見えるような典雅な気配と、素材となる木の香りまでが感じられるようなまろやかな優しさが同居したバロックオーボエ固有の音色。 その魅力を存分に引き出してくれる、緻密な構想のもとで作曲された趣深い旋律と和声。
美しいクラシック音楽です。
17世紀頃からフランスの王侯貴族のあいだで愛されていたオーボエは、1685年のルイ14生によるプロテスタント教徒(=ユグノー)の信仰の自由を再び禁止した「ナント勅令の廃止」が起因となり、ドイツ語圏を中心に、ヨーロッパ各地へと急速に波及をしていきました。危機感を募らせオランダやドイツ各地に移住したフランス在住のユグノーのなかには、音楽家も多く含まれていたためです。
フランス宮廷のファッショナブルな文化に憧れていたドイツ各地の王侯貴族たち(ドイツにありながら、貴族たちのあいだではフランス語がきわめて広く用いられていたほどに!)を中心にして、オーボエの存在はすぐに広まったようです。
フランスで生まれ、その憧れを背景にドイツの地で奏でられた音楽。
当時の裕福な中産市民や上流階級の人々の生活はどんなものだったのだろう。そんな夢想にふけりながら、穏やかな朝日を浴びているような優美なオーボエの音色に耳を傾けてみてください。
参照: Benoit Laurent, 白沢達夫 訳 “German Baroque Sonatas” Ricercar, 2010
ブノワ・ローラン (Benoit Laurent)
ベルギー出身のバロック・オーボエ奏者。王立ブリュッセル音楽院で現代オーボエを学ぶかたわら、リコーダーも師事。その後オーボエでの古楽演奏に通暁すべく、パウル・ドンブレヒト、アレン・ファンランケルといった古楽オーボエ奏者の陶酔を受ける。ヨーロッパ各地の気鋭古楽アンサンブルでも活躍をみせる、第一線をゆく現代の重要な古楽奏者の一人です。
ソナタ 変ロ長調 – オーボエと通奏低音のための / ゲオルク・フィリップ・テレマン (1681 – 1767) 01. アダージョ(緩徐に)
02. アレグロ(快速に) 03. カンタービレ(歌うように) 04. ヴィヴァーチェ(快活に)
オーボエ独奏のためのソナタ 第33番 / ヨハン・ダーフィト・ハイニヒェン (1683 – 1729) 05. ラールゴ(ゆったりと)
06. アレグロ(快速に)
07. ラメンタービレ・エト・アッポジャート(悲しみにくれたように、音をたっぷりとって) 08. アレグロ(快速に)
オーボエのためのソナタ ハ長調 /カール・ルーデヴィヒ・マッテス (生歿年不詳) 09. アレグロ(快速に) 10.アダージョ(緩徐に) 11.アレグロ(快速に)
12.無伴奏オーボエのための第4ファンタジア 変ロ長調 / ゲオルク・フィリップ・テレマン (1681 – 1767)
ソナタ 変ロ長調 – オーボエと通奏低音のための / ヨハン・フィリップ・キルンベルガー (1721 – 1783) 13. アダージョ(緩徐に) 14. アレグロ(快速に)
15. テンポ・ディ・ミヌエッタ(メヌエットのテンポで)と変奏群
16. 無伴奏オーボエのための第6ファンタジア ニ短調 / ゲオルク・フィリップ・テレマン (1681 – 1767)
オーボエ独奏のためのソナタ ト短調 / カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ (1714 – 1788) 17. アダージョ(緩徐に)
18. アレグロ(快速に) 19. ヴィヴァーチェ(快活に)
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