Item / Pottery

Kyo-Oranda Pot

 

江戸期に舶来したオランダを主とした西欧陶器の技術や意匠から影響を受けて作られた日本の器、京阿蘭陀の小筒です。

江戸後期〜明治頃。

本来は紙や布で覆った際に紐でしばるためも機能だった口縁部の窪みからも判るように、その造形はヨーロッパの薬・食料保存壺を踏襲しています。黄と緑で片身替のように絵付けされた草絵は、16〜17世紀にヨーロッパの北イタリアやリヨン、南ネーデルラントで葡萄の葉として好んで描かれたもの。当時、日本にも注文品として伝来した西欧=阿蘭陀陶器が茶の世界で珍重されたのは知られているところですが、すでにヨーロッパでは見られなくなっていた絵柄が、19世紀の日本ではタバコの葉の別称で愛玩され続け、西欧風文様としていまだ描かれていることに趣きを感じます。

コバルトを基調とした淡い色絵は品があり、さらりとしたやや即興的な筆触が、素朴で簡素な印象。タバコの葉と葉を繋ぐ花唐草には日本固有の美意識が感じられます。西欧だけでも日本だけでも成立はし得なかった、この時代ならではの折衷様式を心地よく味わっていただける、そんな一品です。

欠けもありますが素地は釉と同系で馴染んでおり、美観を損なうものではないと思います。

 


 

約 径10.7 / 高8.5cm

(ご売約済)

Related posts

テキストのコピーはできません。