南仏プロヴァンス、リュベロン地方の街アプト、及びカステレの村々で作陶された陶器「アプト焼」の工房は、複数の陶工、経営者により、18〜19世紀の期間だけ見ても、村近郊には30を越えて存在していました。刻印・押印の一部をここに記録します。

Bonnet du Pont
ボネ・デュ・ポン製陶工房
1810年以降

Bremond Apt
Bremond et Aguilhon? Elzéar Bremond?
ブレモンド製陶工房
1825 – 1850年頃?1840 – 1870年頃?

Jules Reybaud
ジュール・レボー製陶工房
1850 – 70年代

Lamy Frères
ラミー兄弟の製陶工房
1850 – 70年頃

Coupiny à Apt
クーピニー製陶工房
1850 – 70年頃

Martin Apt
マルタン製陶工房
19世紀

Bonnet à Apt
ボネ製陶工房
19世紀
Faience d’Apt / アプト焼
南仏プロヴァンス、リュベロン地方の街アプトでは古くから陶器製造が続けられてきました。
18世紀初頭、セザール・ムーラン(César Moulin)がアプトに隣接する小さな村、カステレで最初の陶器工房を開窯。18世紀代半ば頃には、セザールの息子のうち1人が引き続きカステレで作陶を続け、残り2人はアプトに拠点を移し新たな陶器工房を開窯。それらの工房を基盤に、その後も複数の陶工や経営者により多様な作陶が行われ続けました。時代、工房によってもさまざまな表情を見せてくれる上質民芸陶器です。
当時の主な顧客は南フランスの地方貴族やブルジョワ。特に品のある黄釉は、南仏古陶のなかでもアプト焼きこそが持つ固有の美質として知られています。
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記事はアンティーク陶器を通じた経験と複数の書籍を参考に、でき得る限りの事実確認を行った上で
作成していますが、あくまでクープランによる一見解としてお読みいただけますと幸いです。
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