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Items / Pottery

Assiette en Faience de Moustiers/Varages

 

18世紀後期頃のプロヴァンス。

ムスティエ・ヴァラージュ近郊のリム皿です。

横から眺めたときのぐにゃりと歪んだリムと器全体に走る細やかな貫入。

恐らく当時の窯の失敗作です。

同地近郊のファイアンス焼きは、貫入ができない程度に低音焼成されることが一般的ですが、窯内の温度が上がりすぎでしまったことで陶土が歪み、その影響で釉薬にも亀裂が入ってしまったのだと思います。ただ個人的には、この作為のないカタチの不安定さにこそ寧ろ魅力を感じました。細やかな貫入も嫌味を感じない、とても雰囲気あるものです。

繊細なリム装飾に、まろやかで瀞みある白錫の釉調は、穏当でおおらかなエレガントを纏ったムスティエ・ヴァラージュの古陶器固有の美観。窯々の装飾様式・技術は、17世紀以来、戦争により不足した銀の代用品として王侯貴族のための食器を手がけるなかで発展したことは知られいるところですが、フランス的ノーブルなエッセンスを加えながらも、模倣には留まらず、気候風土が育んだ独自のプロヴァンス的感性が絶えず宿っていることこそ、同地近郊の陶器の魅力でしょう。

サイズが小ぶりであることも大切で嬉しいポイントです。

 


 

約 直径21.7 / 高2.7 センチ

作陶時の窯傷かは定かではありませんが、仕入れの時点で、背面端に数ミリ角程、釉薬が剥がれ胎土が零れてしまっていた箇所がありましたため、漆と錫で継いでおります。

当該部分のみに着目すると多少気になりますが、表面からは分からないため、実用における美観を損なうものではないと思います。スライドショー6、7枚目にてご確認ください。

陶土のゆがみはリム部分のみで、底面は平らなためぐらつきはありません。

販売価格(税別)
¥18,000
Stock:1点

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