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Items / Silverware

Gobelet en Argent Massif

 

常々探し、店として好みの品を揃え置きたいと思っています。

純銀製のカップ。19世紀末、フランス。

多様な素材の器がありますが、殊に飲み物の「冷たさ」こそを愉しみたい場面では純銀には一日の長があります。熱伝導率に優れており、注いだ液体の冷たさが、器を持つ指の先、飲むときの唇にほとんど干渉がなくダイレクトで伝わります。銀だけで成形しているからこそ実現し得る造りの薄さも、その効果を高める大切な要素です。器も飲み物も、事前にキンキンに冷やしておくのが乙な嗜み方でしょう。

すでに好事家の方には説明不要ですが、体験されたことのないのであれば、ぜひ一度手にとっていただきたいと思うところです。

フランスらしいクラシックを湛えつつモダンな造形に、程よく使い込まれやれた具合と、艶が抑えられたマチエール。古い純銀器ならではの雰囲気です。それに一般的な規格と比べて、ひと回り大きめなのが日常使いには嬉しく、手にとるにおいてのポイントでした。

ビアグラスとしては勿論、アールグレイ、ジャスミンといったフレーバーティーを注いでも素敵です。

純度がプルミエ(=ファースト/銀純度95%以上)であることを示す、ミネルヴァ(ローマ神話の女神)の刻印有り。

 

Argent Massif (純銀器)

素地に別の金属を使うことなく、純度の高い銀のみで成形された純銀器。

美しい輝き、優しい肌触り、食器やグラスに触れたときの綺麗な響き。
そして純銀製だからこそ実現する薄くて軽く、繊細な作り。

クープランでは、鈍い輝きを湛えた18〜19世紀の古手の純銀器を紹介しています。

19世紀、産業化の波のなかでヨーロッパの家庭やレストラン、ホテル等さまざまなシーンに所謂シルバープレート (真鍮や洋白等の下地を銀で覆った銀) の銀器が普及しましたが、純銀器は未だにごく一握りの人々のための高価な品物でした。アンティーク市場でもたくさんは見つからない希少な存在です。

 

L’argent massif en France (フランスの純銀器)

クープランで主に紹介をしている19〜20世紀初期頃のフランスの純銀 (=Argent Massif) には2つの種類があります。

純度95%のプルミエ ティトル (1er titre)、純度80%のドゥズィエーム ティトル (2e titre)。ごく柔らかな素材であることから純銀であっても、銅などの別の金属を素材を少量だけ混ぜて成形をされるのが通例なのですが、その純度に応じて呼び方が異なっています。

性質上プルミエはとても柔らかく、ドゥーズィエームはほんの少しだけ硬質になります。

見分け方はフランス国内で統一して使われていた刻印。例えば1838年から1900年代半ばまでの純銀器にはミネルヴァ (ローマ神話の女神) の横顔の刻印が打たれており、その横に一緒に刻まれている数字「1」「2」を見て、純度を判断します。或いは、アクセサリー等の小物類には猪や蟹の刻印が打たれており、こちらは純度80%であることを保証しています。銀が資産の1つとして捉えられていた時代の名残を組んで打たれた保証のための刻印が、作りの詳細を知る手がかりとなります。

 


 

銀器の普段の使い方とお手入れ方法

銀器は使っていると空気に触れて色がくすんでいきます。

・洗ったあとはできるかぎりすぐに拭いてあげてください。
・毎日と言わずとも定期的に使ってあげることが大切です。

黒ずみが気になるときはお鍋に熱いお湯を張り、アルミホイルと重曹を入れ銀器を浸しください。銀が輝きを取り戻します。またこの方法であれば、銀器の量が増えても、手間が増えずにお手入れいただけると思います。それぞれの銀器は重ねずに離していただいたほうが、効果は出やすいです。

※鍋はアルミ以外の素材を使用してください。
※シルバーナイフについてのみ、ハンドルとブレードの接合部がニワカという熱に弱い糊で接着されているため、上記方法には注意が必要です。

説明をすると面倒な素材に聞こえますが、実際は想像よりずっと気軽に使っていただけると思います。ぜひ暮らしのなかで程よく気をかけてあげながら、銀器と付き合ってみてください。

 


 

約 口径8 / 丈8.2 センチ

販売価格(税別)
¥20,000
Stock:1点

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