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Items / Pottery

Plat Godronné en Faience XVIIe

 

17世紀後期頃、フランスの輪花皿です。

ファイアンス焼きの起源であるルネサンス期のイタリアが本歌とされ、ヨーロッパ各国に伝わったとされるカタチは、好事家にはデルフト焼きによるそれが、より広く知られているところでしょう。

ピーテル・デ・ホーホやハブリエル・メツーといった複数の画家が、風俗画のなかで同形(Click!)や類形(Click!)のデルフト焼きを描いていますが、そこからも読み解けるように、暖炉のマントルピース上で飾り皿としたり、せいぜい果実を添えるような場面で用いることが多かったとされます。実用的な皿類と比べれば伝世品が残っているのはそのためですが、とは言えそう多く手にできるものではありません。

艶やかな波打つリムは、型成形だからこそ全体に調和も感じられ、そこに古い錫鉛施釉ならではの肌合いのなめらかさが、優しく心地よく混じり合っています。この類の器に通底する美質です。ほのかに灰み掛かった色調は、所謂デルフト焼きの雑味のない白とは異なっています。それは比較をした場合には、辺境性の発露とも言えるかもしれませんが、素朴な滋味深さこそ、固有の見どころのように感じています。

当初は金継ぎすることを考えていましたが、釉薬に含まれる金属質が反応してできたと思われる見込み内側の数箇所の斑点も含めて、経年による瑕疵も、全体の景色を作っていると思い直し、傷はこのままにすることとしました。

当時の作陶数、釉調や背面のピンホールから判断するに、ヌヴェール焼きである可能性が高いと見ています。

 


 

約 径33 / 丈6.5 センチ

販売価格(税別)
¥130,000
Stock:1点

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