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Glassware / Items

Old Baccarat “Lulli Stem Glass”

 

1930年代前期。ルッリのモデル名を翳したアンティークバカラの小さなステムグラス。

かつてのバカラで用いられた装飾技法アシッドエッチング(酸化腐食)により立体的に細やかに表現されたパターン。同技法を活用したデザインはバカラのなかに種々存在しますが、絢爛のなかに宿る品が良さ・繊細さが際立つ、ごく美しいモデル。

線の細いエッチングと上質な薄手クリスタルのマリアージュ。シンプルでいて軽やかな動きを感じるプロポーション。アンティークバカラの美質が詰まった一品と感じます。

1930年代初期成形、無刻印。同デザインのグラスのなかでももっとも古手の作りです。

コニャックやカルヴァドス、或いは和の設えに添えて冷酒を嗜んでいただくのも素敵だと思います。シェリーやポルトはもちろん、比較的量も注いでいただけるので、小ぶりなワイングラスとしても気持ち良くお使いいただけます。

使用感はほぼなく、約90年前に整形されたグラスとしてごく良好な状態です。

ちなみにモデル名は、18世紀の作曲家ジャン=バティスト・リュリのフランス帰化前のイタリア名から付けられています。バロックの香りを纏いながらも。フランスならではの流麗さを湛えたこちらのグラスには、ルイ14世治世下のフランス(パリ)で活躍をしたイタリア人名というのがぴったりと感じます。

 

Baccarat (バカラ)

世界で最も名高いクリスタルガラスのラグジュアリーブランドとして知られるバカラ。

その歴史の始まりは、1764年、フランス王ルイ15世に認可され、ロレーヌ地方のバカラ村に設立されたガラス工房です。1816年、現在でもバカラと並んで称されるクリスタルガラスのブランド、サンルイとの一時的な合併時に技法を学び、最初のクリスタルガラスを工房にて製造。その後、1800年代半ばまでは合併、或いは流通提携を続けますが、1860年「バカラ」として正式に商標登録。現在までその歴史が続いていくこととなります。

デザイン、モデリング、ホットワーク(ガラスの吹き上げ作業)、コールドワーク(カッティング、装飾作業)。あらゆる工程に、超一級の職人の仕事が介在した惚れ惚れする程に素晴らしい作りの工芸品。

クープランでは、そんなアンティークバカラの中から、美しくも現代的な風通しの良さが感じられる、上品な絢爛さを纏った品を厳選、紹介しています。

 

Crystal Glass (クリスタルガラス)

清らかな透明感、美しい輝き、高音の澄んだ音色。まるで天然の水晶のようなであることから、その呼び名で呼ばれるクリスタルガラスは、特に西洋では、装飾芸術としてガラスの価値を高めた存在です。

通常のソーダガラスより硬質で、溶解温度も低く抑えられるという特徴から、繊細なカットやグラヴィールをすることができますが、その成形には高度な知識や技術が必要です。

例えば歴史ある工房では、火を用いてクリスタルを吹く作業「ホットワーク」と、製品を研磨しカットや装飾を施す「コールドワーク」の、それぞれの工程に専門の職人がおり、フランスが世界に誇る著名なクリスタル工房バカラやサンルイは、同国の最優秀職人 M.O.F. (MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE ) を多数輩出しています。

高品質なクリスタルガラス成型は、まさに伝統と技術の結晶です。

(ご売約済)

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