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Glassware / Items

Verre à Liqueur vers 1900

 

パリの蚤の市でカタチの珍しさにすっと惹かれて手にした吹きガラス酒器です。

フランスでは見たことのない造形ですが、スタイルとしてはドイツの蒸留酒、シュナップス用のグラスと近しいでしょうか。少量を注いでも映えるように底上げ底仕様となっていることからも、トロンプ・ルイユ(Trompe-l’œil = 騙し絵)の亜種とも呼べそうですが、また違った趣きがあります。

ずっしりとした重たさが何より気持ちよく、注いだリキュールやハードリカーをしっかり受け止めてくれる包容力を感じます。透過を殆どしない厚みのニュアンス豊かな器景は、酒の肴にすらなりますね。ほのかな灰みも魅力的です。

雰囲気がありながら、なんとも気の置けない佇まい。この塩梅に惹かれた方がいらっしゃいましたら。

1900年前後頃。

 

吹きガラス

19世紀末までフランス各地の村の大・小さまざまな工房で吹きガラスが作られていました。

ガラスの製法には様々ありますが、この時代の民衆の器としての吹きガラスには、もっとも古いガラス製法である宙吹きという手法が主に用いられています。吹き竿の先に溶けたガラスをつけ、息を吹きこみ、空中で風船のようにガラスをふくらませて形作りを行う製法です。

あるいは金型を用いてカタチを整える場合には型吹きという製法が用いられることもあります。この技法は19世紀半ば以降に発展し徐々に機械による型吹きがメインとなっていきますが、古い作りで見られる手作業(マウスブロー)による型吹きガラスには、機械を用いた成型とは異なり気泡や揺らぎといった個体差があります。

仕上がりの雰囲気ははそれぞれですが、職人の気配が感じられる吹きガラスならではの表情はとても魅力的です。20世紀以降、ガラスの製造は「手工業」から「機械工業」へ移行していき、小さなガラス工房はやがて姿を消してしまいました。アンティークの吹きガラスには、今は失われてしまった手工業文化の一端を垣間見ることができます。

 


左側: 口縁6 / 底面5.5 / 丈11.7
右側: 口縁5.8 / 底面5.8 / 丈12

希望の個体がございましたら、備考欄に書き添えください。

販売価格(税別)
¥8,000
Stock:2点

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