Item / Pottery

Plat Oval de Faience d’Apt

 

18世紀半ばの勃興以来、アプト、及び近隣カステレの村で地場産業として拡がり、小さくも奥深い独自発展を遂げた陶器、アプト焼。朗らかで健康的な、当地・当代の美質を纏った黄釉のオクトゴナル皿です。

ノーブルな優雅さを湛え、同時に土地の気候・風土が生んだ大らかさを優しく纏い、全体を調和させているのは「カタチ」の高い精度でしょう。革命前後のプロヴァンスという時代・立地の特異性を背景に、貴族の要望に応え、ブルジョワ的感性をやがて加えながら、可逆性が高いヴォークリューズの恵まれた土壌で、アプト焼のモデラーや陶工の感性・技術力は美しく豊かに育まれました。

実用においても嬉しい中庸寸法。秋冬の季節に添う温和な雰囲気も魅力です。

ジュール・レボー製陶工房。1850 – 70年代。

 

Faience d’Apt (アプト焼)

南仏プロヴァンス、リュベロン地方の街アプトでは古くから陶器製造が続けられてきました。

18世紀初頭、セザール・ムーラン(César Moulin)がアプトに隣接する小さな村、カステレで最初の陶器工房を開窯。18世紀代半ば頃には、セザールの息子のうち1人が引き続きカステレで作陶を続け、残り2人はアプトに拠点を移し新たな陶器工房を開窯。それらの工房を基盤に、その後も複数の陶工や経営者により多様な作陶が行われ続けました。時代、工房によってもさまざまな表情を見せてくれる上質民芸陶器です。

当時の主な顧客は南フランスの地方貴族やブルジョワ。特に品のある黄釉は、南仏古陶のなかでもアプト焼きこそが持つ固有の美質として知られています。

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φ31 × H2.9cm

(ご売約済)

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