Item / Pottery

Art Populaire sur Faïence

 

18世紀、フランス地方部のささやかなフォークロアです。

自然で流れるような筆づかいの一方、緻密さへの希求は感じないおだやかな印象。地域の辺境性と、故の窯の顧客層があってのことと思います。雉絵が見込み中心からさりげなく逸れていますが、意図したものでしょうか、或いは。

現代の眼にも馴染むほどよい余白とやわらかな色彩も、素朴さをぐっと引き立てています。

釉調や造形からフランス中部の造りと推測しつつ、より北方のそれに見られるような焼きの甘さゆえの口縁の釉剥がれがあり、仄かにふしぎな佇まい。経年の劣化はまた古物としての雰囲気の佳さも生んでいます。

確固たる様式美(歴史的文脈の強度の高さ)は、フランスのファイアンス陶器がもつ魅力の一つですが、寧ろ民衆芸術(Art Populaire)としてのパーソナルな気配こそを一層つよく感じます。

あるようであまり見つけられない、優しくほっとする佇まいに心惹かれました。

 


 

直径22.7 / 高さ2 センチ

(ご売約済)

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