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Glassware / Items

Verre à Bistrot vers 1900

 

以前と比べても仕入れ難くなりましたが、方々の蚤の市でぽつりぽつりと見つけては、カタチや揺らぎ、状態を吟味し選び、紹介を重ね続けています。

1900年前後頃、ガラス食器が広く一般大衆化した初期の作りは「ビストログラス」とも俗称されます。似た手として完全な宙吹き成形によるカップ部分が風船型のグラスも存在が知られていますが、対してこうしたスクエア型のグラスは、脚部分を宙吹き、カップ部分は木製型を用いて整形されています。形状的に型起こしが容易で、かつ用量を注ぎたいという労働者階級の民意とも合致したことが、この時期に集中してこのカタチが好んで作られた理由なのでしょう。

第一次大戦を経た1920年代以降、ガラス製造が機械化していくなかでやがて見られなくなっていくカタチでもあります。

洋の気配を湛えながら、しつらえの様式を問わず溶け込む無垢な佇まいと透明という多様性。プロダクト然としたプロポーションの美しさに、マウスブローが生む作為のない不完全な揺らぎや傾ぎといった職人仕事の気配が垣間見える具合は何より魅力です。

今回は4点、個体をお選びいただけるようにしております。

 

吹きガラス

19世紀末までフランス各地の村の大・小さまざまな工房で吹きガラスが作られていました。

ガラスの製法には様々ありますが、この時代の民衆の器としての吹きガラスには、もっとも古いガラス製法である宙吹きという手法が主に用いられています。吹き竿の先に溶けたガラスをつけ、息を吹きこみ、空中で風船のようにガラスをふくらませて形作りを行う製法です。

あるいは金型を用いてカタチを整える場合には型吹きという製法が用いられることもあります。この技法は19世紀半ば以降に発展し徐々に機械による型吹きがメインとなっていきますが、古い作りで見られる手作業(マウスブロー)による型吹きガラスには、機械を用いた成型とは異なり気泡や揺らぎといった個体差があります。

仕上がりの雰囲気ははそれぞれですが、職人の気配が感じられる吹きガラスならではの表情はとても魅力的です。20世紀以降、ガラスの製造は「手工業」から「機械工業」へ移行していき、小さなガラス工房はやがて姿を消してしまいました。アンティークの吹きガラスには、今は失われてしまった手工業文化の一端を垣間見ることができます。

 


 

A:約 口径6.5 / 底部径7 / 丈 14センチ
B:約 口径6.7 / 底部径6.5 / 丈 13.9センチ
C:約 口径6.6 / 底部径6.8 / 丈 13.9センチ
D:約 口径6.3 / 底部径6.3 / 丈 13.7センチ

個体希望がある場合はアルファベットを備考欄に書き添えください。

(ご売約済)

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