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Items / Pottery

Tisanière en Terre Cuite Vernissé

 

さて、取手脇のまるで貯金箱のような細長い穴は一体なんでしょうか?

正解は。

枝付きのティザンヌ(ハーブ)の差し込み口です。

19世紀、ブルゴーニュで作陶されたティザニエール。ヨーロッパの人々は、古くから植物療法によって心身の健康を整えてきました。街に出かければ沢山の薬局が軒を連ね、田舎の家であれば、庭には菩提樹からミント、ラベンダーまで、さまざまな種類の薬草が生えていたことでしょう。

ちいさな穴が開けられている、たったそのことだけで、当時の人々が過ごしていた日常の解像度がぐっと上がる(ように感じる)から不思議です。生活の知恵が生んだ実用的な構造は、不要と言えばそうなのかもしれませんが、陶工が見せたさりげない気遣いには自然と笑みがこぼれ、あたたかい気持ちにさせられます。

素焼きの全体に口縁周辺の落ち着いた彩度の褐釉、作為のない素朴な造形。

朗らかで風通しよいフランスの地方民芸品です。

 


 

約 奥行き12 / 底面直10 / 丈13 センチ

(ご売約済)

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