Glassware / Item

Antique Baccarat “Gobelet taille 6410”

 

1900年代初頭頃、アンティークバカラのゴブレ。少し以前に同じモデルの高さ6.8センチの品を紹介しましたが、今回はひと回り大きな高さ8cmの品の紹介です。

カット番号6410。フランスの伝統的なフラットリブカットをデザインソースにして生み出された、通称「シカゴ」の名でも知られる、バカラのオリジナルモデル。

伝統を踏襲しながらも前衛を表現する優れたモデラー(デザイナー)の存在感。コールドワーク、ホットワークと各々に存在する職人たちの気配。整えられた生産環境でこそ生み出される工業品としての佇まい。それぞれが混じり合うというよりは、潔さを秘めながら拮抗し同居しています。

その練度の高さは、眺めていて本当に惚れ惚れします。

同時にどこか優しさを湛え、器としてのやわらかさもあります。
この時代のアンティークバカラの美質が詰まった一品だと思います。

洋の設えにはもちろん、和の設えにも溶け込むニュートラルな佇まい。
使用感の少ない、古いグラス器として、ごく良好な状態です。

 

Baccarat (バカラ)

世界で最も名高いクリスタルガラスのラグジュアリーブランドとして知られるバカラ。

その歴史の始まりは、1764年、フランス王ルイ15世に認可され、ロレーヌ地方のバカラ村に設立されたガラス工房です。1816年、現在でもバカラと並んで称されるクリスタルガラスのブランド、サンルイとの一時的な合併時に技法を学び、最初のクリスタルガラスを工房にて製造。その後、1800年代半ばまでは合併、或いは流通提携を続けますが、1860年「バカラ」として正式に商標登録。現在までその歴史が続いていくこととなります。

デザイン、モデリング、ホットワーク(ガラスの吹き上げ作業)、コールドワーク(カッティング、装飾作業)。あらゆる工程に、超一級の職人の仕事が介在した惚れ惚れする程に素晴らしい作りの工芸品。

クープランでは、そんなアンティークバカラの中から、美しくも現代的な風通しの良さが感じられる、上品な絢爛さを纏った品を厳選、紹介しています。

 

Crystal Glass (クリスタルガラス)

清らかな透明感、美しい輝き、高音の澄んだ音色。まるで天然の水晶のようなであることから、その呼び名で呼ばれるクリスタルガラスは、特に西洋では、装飾芸術としてガラスの価値を高めた存在です。

通常のソーダガラスより硬質で、溶解温度も低く抑えられるという特徴から、繊細なカットやグラヴィールをすることができますが、その成形には高度な知識や技術が必要です。

例えば歴史ある工房では、火を用いてクリスタルを吹く作業「ホットワーク」と、製品を研磨しカットや装飾を施す「コールドワーク」の、それぞれの工程に専門の職人がおり、フランスが世界に誇る著名なクリスタル工房バカラやサンルイは、同国の最優秀職人 M.O.F. (MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE ) を多数輩出しています。

高品質なクリスタルガラス成型は、まさに伝統と技術の結晶です。

(ご売約済)

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